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中小事業所が対象、運用改善で「無理のない電力コストの削減」を支援

キヤノンMJ、低価格な「節電コンシェルジュ」サービス開始

2015年05月26日 13時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は5月26日、顧客の電力使用量を分析し、“節電ルール”作りの支援や継続的なレポートを行う「節電コンシェルジュ」サービスを提供開始した。サービス料金を低価格に抑え、電力使用量の多い中小規模事業所における「無理のない節電」の取り組みをサポートする。

キヤノンMJ「節電コンシェルジュ」のサービス概要。サポートセンターやクラウドサービスを通じて、中小規模事業所における節電の取り組みを支援する

 節電コンシェルジュは、食品スーパーや家電量販店などの小売店、ファミリーレストラン、オフィスビル、介護老人福祉施設や病院など、中小規模の事業所をターゲットとしたサービス。設備更新を行うのではなく、既存設備の使用方法(運用)の見直しと改善を図ることで、大きな投資なしで電力料金(基本料金や使用料料金)の削減につなげるソリューション。提供開始時点での対象地域は一都三県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で、キヤノンMJグループが直販営業を行う。

 具体的なサービス導入プロセスは、まずコンサルタントが当該事業所を訪問し、現地調査(設備状況の確認や運用状況のヒアリング)を実施。そのうえで電力メーター(1カ所)に計測器を取り付け、継続的な電力使用量のモニタリングを行う。これらのデータに基づき、電力ピークや使用量の目標値を定めるとともに、顧客ごとに無理なく実行できる「節電ルール」「ピークカットルール」を提案し、顧客自身が実施する節電運用をサポートする。

運用開始までの流れ。コンサルタントによる現地調査と電力使用量のデータに基づき「節電ルール」や「ピークカットルール」を提案する

 節電運用の開始後は、顧客自身がクラウドを通じて電力使用量(日次/週次)をチェックできるほか、サポートセンターからは月次レポートや運用への助言、「使いすぎ」時のリアルタイムアラートなどが受けられる。

クラウドを通じた日次/週次のモニタリングで「使いすぎ」がチェックできるほか、月次レポートに基づき運用への助言も受けられる

 キヤノンMJによれば、たとえば「店舗開店前の早すぎる時間から空調を稼働している」「介護施設にある大量の給湯ポットの保温設定温度が高すぎる」「施設内の空調や電気給湯器が一斉に自動起動する設定になっている(電力ピークが発生)」など、業務に影響を与えることなく改善できる節電ポイントは数多くあるという。

 キヤノンMJ自身も、総務部が主導して東京・品川の本社ビル「キヤノンSタワー」における運用改善に取り組み、特別な設備投資なしで、竣工(2004年)から2011年の間に43.6%の使用エネルギー削減(2億3000万円のコストダウン)を実現している。単に節電を呼びかけるだけでなく、無理のない運用ルールを定めて実行し、その成果も可視化することで、節電を従業員全体の取り組みに広げられるとしている。

 節電コンシェルジュのサービス料金(1施設あたり、税抜)は、初期費用が50万円、月額費用が8000円。なお、サービス導入前に無償の「節電事前診断」が受けられ、年間削減額や投資回収期間が事前にシミュレーションできる。

 キヤノンMJでは、2020年までに1000事業所の導入、累計10億円の売上を目標としている。

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