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「顧客プライバシー保護の姿勢」などを評価、グループ内のナレッジ共有活性化へ

日本郵船が世界230拠点、3万人の情報基盤に「Office 365」採用

2015年05月22日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 海上運送を中心とする総合物流業の日本郵船グループが、世界230カ所を超える拠点間のコミュニケーション手段として、マイクロソフトの「Office 365」を採用した。8月から順次、Office 365への統合をスタートし、3年後を目標にグループ社員全体のおよそ3万ユーザーに展開する予定。

 日本マイクロソフトが5月21日、顧客採用事例として発表した。

日本郵船が導入するOffice 365、および関連システム(Active Directoryなど)の概要図

 日本郵船では、2014年4月からスタートした新たな中期経営計画(5カ年)において、「事業の差別化戦略」「コンプライアンス徹底」などの目標を掲げている。今回のOffice 365の導入によって、「現場レベルでの業務効率化」、部門間横断型のデータアーカイブによる「グローバルでのコンプライアンス順守体制整備」を実現していく方針。

 日本郵船グループではこれまで、たとえば導入しているメールシステムがグループ各社で異なるなど、個別/縦割りのシステム構築と運用がなされてきた。その結果、IT構築/運用におけるコストの無駄が生じていただけでなく、グループ内でのナレッジ共有の障壁となり、各社ごとがデータアーカイブを担うことによるコンプライアンス上の問題もあった。

 こうした課題を解決するため、グループ各社が導入しやすいクラウドサービスを前提として、コミュニケーション基盤の刷新を検討。同社独自のクラウドセキュリティ基準に基づいてサービスを比較した結果、「データ所有権が顧客にあることを明確にしている」「国内に複数データセンターがあり、自然災害などのリスクに対応している」「高度な経験やノウハウに基づくセキュリティ対策がとられている」などの理由から、Office 365を選択したとしている。

 日本郵船グループでは今年8月から、メールやスケジュール管理、オンライン会議、ナレッジ共有、ソーシャル(SNS)などの各種サービスを順次利用開始していく方針。社内プロジェクト単位でポータルを立ち上げたり、SNSを通じて情報交換やナレッジ共有を進めるなど、新たな「仕事の仕方」を考えていく。さらに、グループ各社の要望に応じて、CRMなどのクラウドサービスを追加導入する計画もあるとしている。

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