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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第64回

Apple Watchで時間に興味が湧いてくるという話

2015年05月08日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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Apple Watchで時間、習慣に興味が湧いてくる

 Apple Watchでのサイレント起床も一応やってやれないことはありません。ちょっと以下にまとめてみました。

・夜帰ってきて、寝る前に100%充電になるよう充電し始める
・この際に「おやすみモード」をiPhoneと連動させ、夜22時から朝6時まではiPhoneもApple Watchも通知しないようにする
・Apple Watchに5:00、5:15のアラームをセット
・手首に装着して寝る

 こんな感じで、ひとり密かに朝早く起きることができるわけです。正直「面倒だな」と思われた方も多いのではないでしょうか。書いていて、筆者自身も面倒だなと思っています。

 ただ、Apple Watchを毎日ちゃんと充電して装着して寝てという生活を始めて見ると、割と今までおろそかにしていた時間や習慣というものに今一度目を向けることができることに気づきました。

なんだか生活がシンプルになったような

 例えば、今この原稿を書いている時も、「原稿を仕上げる」というタスクがカレンダー上の時間として確保されていて、Apple Watchの文字盤にも表示されています。

気に入っている文字盤のクロノグラフ。左上には次の予定の時間、左下はアクティビティ、右下はタイマーのショートカットを配置している

 また、Apple Watch上では25分タイマーが回っていて、その時間きっちりと集中するよう心がけています。

 時計をするようになって、時間を気にしながら生活するようになりました。当たり前のことなのですが、スマートフォンでは自分にはなかなか起きていなかったことでした。

 スマホだと、カレンダーアプリを立ち上げたり、タイマーアプリを立ち上げたり、その間に入ってきたLINEやInstagramの新着をチェックして、そのままアプリの中の他の情報にアクセスして……と余計なことばかりしている自分にきづいて嫌悪感を覚えることもありました。

 これがなくなるだけでも、ものすごくシンプルになった気分なのです。

 時計が時間を知るための役割を果たしているというのも面白い発見でした。時間はスマホで確認するという習慣で、腕時計はどちらかというと機能性と言うよりはファッションやアクセントのような存在になっていましたが、Apple Watchはもっとマジメに時間に向き合う存在でした。

 「時間を知る」という意味も変わっていると思います。「今何時?」という瞬発的な疑問に正確に答えるだけでなく、もっと異なる時間を知る、あるいは時間を活用するという新しい部分に踏み込んでいるのではないでしょうか。

 Watchアプリの審査ガイドラインには、「時計を表示することを主とするアプリは却下」という条項が盛り込まれています。できれば、特殊な用途のストップウォッチや時間を活用するためのアプリは認めてほしいと思います。

 初期のApple Watchの体験は、Appleのプロモーションもあって、エクササイズ機能かなと思っていました。ただ2週間使って見ると、意外と「時間」がキラーコンテンツになるかもしれないと思うようになりました。

 なんだか今回は、当たり前のことを言っているだけになっているようで恐縮ですが、また次回に。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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