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Linux/MacやiOS/Android対応の「Visual Studio Code」「Universal Windows Platform」など

プラットフォームの壁を越える!「Build 2015」新発表のポイント

2015年05月07日 06時00分更新

文● 塩田紳二 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 マイクロソフトは4月29日から5月1日まで(米国時間)、米国サンフランシスコ市で開発者向けのイベント「Build 2015」を開催した。本記事では、このうち29日、30日の2日間行われた基調講演について、Visual Studio関連の情報を中心にまとめお送りする。

LinuxやOS Xでも動作する無料版VS「Visual Studio Code」

 基調講演で扱われたテーマは、1日目が「Azure」「Office」「Windows 10」、2日目が「Universal Windows Platform(以下、UWP)」や「Microsoft Azure Machine Learning(Azure ML)」「DirectX12」などだった。

 Visual Studioそのものについては、新たに「Visual Studio Code(VS Code)」が発表された。これは、WindowsだけでなくLinuxやOS Xでも動作する無料版のVisual Studioだ。つまり、今後はWindows以外の環境でも、Visual Studioのコード補完やビルド、デバッグといった機能が利用できるようになったわけだ。この動きは、後述するUWPとも大きく関係している。

 なお同日、Visual Studio 2015のRC版もリリースされた。

VS Codeは、LinuxやOS Xでも動作するVS。インテリセンスによるコード補完だけでなく、デバッグやGitによるソースコード管理などにも対応

今回発表されたVS Codeと現在プレビュー中のVS2015、そしてVSオンラインなどにくわえ、他の開発ツール向けのUWPツールなどを組み合わせ、さまざまなプラットフォーム、さまざまなターゲットに対してVSファミリーが利用できるようになる

 さらに、昨年のConnect;でオープンソース化を発表していた「.NET Core」のLinux、OS X版がリリースされた。.NET Coreは.NET Frameworkのコア部分を抜き出したものであり、これにより、基本的な.NETの機能がLinuxサーバーやMac上で利用できるようになる。

.NET Frameworkのコア部分をオープンソース化した.NET Coreは、LinuxとOS X向けにプレビュー版が、またWindows向けにRC版が、それぞれリリースされた

Windows 10では“プラットフォームの壁”を越えてアプリが動く

 Windows 10についても、さまざまな新機能が発表された。基調講演で最初に説明されたのは、これまでUniversal Windows Appsなどと呼ばれていたWindows 10アプリの実行環境が、「Universal Windows Platform(UWP)」という名称になったことだ。

 このUWPアプリの配布ポイントとなるのがWindows Storeだ。これまでは、Storeで配布できるアプリの開発方法はWinJS、.NET、C++だったが、新たに4つが加わった。詳しくは後述するが、Android、iOS、デスクトップ向け.NET/Win32、Webサイト(HTML+JavaScript)の各コードを再利用して、UWPアプリを提供できる。これらは現在プレビュー中であり、今年の夏、Windows 10とともに正式スタートとなるようだ。Windowsと他のプラットフォームとを“橋渡し”する「Universal Windows Platform Bridges」と呼ばれる。

10億台のデバイスという巨大なエコシステムの基盤をUWPが支える。既存のUWPアプリ開発手段(WinJS、.NET、C++)に加え、新たに「Webサイト」「デスクトップ用.NET/Win32」「アンドロイド用Java/C++」「iOS用Objective-C」のコードが利用可能に

(→次ページ、既存のAndroid/iOSアプリを簡単にWindows移植可能に

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