多少慣れが必要なキーボードやインターフェース
最薄部3.5mm、最厚部で13.1mmの新MacBookは、その薄さを実現するために、さまざまな工夫が施されている。そのひとつが、キーボードだ。従来のシザー構造から新設計のバタフライ構造に変更され、キーボードが薄くなった。
キートップは従来より面積が大きくなっているものの、キーストロークは非常に浅くなっているため、初めてタイピングしたときは少なからず違和感を覚える。しかし、クリック感はしっかりあり、キーの中央付近を押しても端を押してもきちんと入力が認識されるため、入力自体は行ないやすい。強い力で押すのではなく、軽い力で押すようにすると、スムーズに入力できると思う。
個人的には打鍵感がかなり気に入ったが、キーボードは合う合わないの評価が分かれやすいパーツでもあり、人によっては馴染めないこともあるかもしれない。購入を検討しているなら、事前に店頭などで試してみることをオススメする。
感圧タッチトラックパッド
キーボードと同様に、トラックパッドも新設計のものが採用されている。従来はトラックパッド全体がボタンになっていて下方向に押し込むことができたが、MacBookの場合は圧力感知機能と触覚フィードバックにより擬似的にクリック感を再現している。擬似的ではあるが本当に下方向に押している感じがあり、初めて触ったときはちょっとした感動があった。店頭で試す機会があれば、ぜひ電源オンのときだけでなく、電源オフのときにもトラックパッドに触ってみて比べてみてほしい。
USB 3.1 Type-C端子
もうひとつ戸惑う要素がインターフェースだ。周辺機器との接続に使用するデータ転送用の端子が、現時点ではあまり普及していないUSB 3.1 Type-Cひとつのみで、そのままでは従来のUSB機器をつなぐことができない。また、USB 3.1 Type-C端子が電源コネクターを兼ねているため、充電中は端子がふさがり周辺機器を使用することができない。
そこでアップルは、オプションで3種類のアダプタを用意している。ひとつが「USB-C - USBアダプタ」で、MacBookに従来のUSB機器を接続することが可能。もうひとつが、「USB-C VGA Multiportアダプタ」で、USB機器と充電ケーブル、VGA対応の外付けディスプレイやプロジェクターをつなぐことができる。「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」は、USB機器と充電ケーブル、HDMI対応の外付けディスプレイなどを接続可能だ。
今回は、これら3種類のアダプターも試せたので、実際に「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」を使ってMacBookをHDMIディスプレイにつないでみた。そして充電しながら外付けディスプレイとUSB接続のHDDを使ってみたが、特に問題もなく安定して動作していた。
また、MacBookの内蔵ディスプレイと外付けディスプレイをミラーリングできるほか、その際メニューバーのミラーリングオプションからデスクトップサイズを外付けディスプレイに合わせるか、内蔵ディスプレイに合わせるかを選ぶことができる。
たとえば、フルHDの外付けディスプレイに合わせた場合は、MacBookの内蔵ディスプレイもそれに合わせてフルHDになる。スケーリングで表示自体はきれいなのだが、さすがに12型の画面でフルHDは表示が細かすぎて辛いものがあった。
周辺機器を使うのにいちいちアダプターが必要になるのは面倒だが、充電ケーブルと外付けディスプレイ、よく使う周辺機器をアダプターにつなぎっぱなしにしておけば、ワンステップでMacBookにこれらの機器を接続できる。自宅ではノートPCを外付けディスプレイにつなげて使いたいという人なら、独立した映像出力端子を持つノートよりもMacBook&アダプターの方がむしろ使いやすいかもしれないと感じた。
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