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SDSに移る必然性とHP VSAの実力が明らかに

HPとASCII.jpのセミナーでSDSの現実的なメリットを披露

2015年04月20日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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4月16日、日本ヒューレット・パッカードは「Software Definedの波はストレージへ!HP SDSセミナー」を開催。ASCII.jpとタッグを組み、KADOKAWAの市ヶ谷オフィスで開催されたセミナーでは、いよいよ現実味を帯びてきたSDSのソリューションの魅力がディープに説明された。

コスト圧力からひもとくSDS登場の背景

 冒頭、「時代がSoftware-Defined Storageに移る必然性とは?」というタイトルで基調講演を行なったASCII.jpの大谷イビサは、Software-Definedの先鞭であるSDN誕生の背景からSoftware Defined Storage(以下、SDS)勃興に至るまでの経緯をひもといた。

「時代がSoftware-Defined Storageに移る必然性とは?」と題した基調講演を行なったASCII.jp 大谷イビサ

 SDNの誕生には、ネットワークの仮想化や集中管理というニーズのほか、エンタープライズネットワークが高止まりしているというコスト面での課題が背景にあった。高価でプロプラエタリなスイッチが、安価な汎用スイッチとオープンなテクノロジーに移行することで、仮想化対応の高度なネットワーク制御・管理が実現するというのがSDNで描かれた1つのシナリオと言える。

 そして、ストレージの分野にも同じことが言えるのではないかというのが、大谷のSDS論。猛烈な勢いで進むディスク単価の下落に比して、専用ハードウェアやデータ保護技術を搭載するストレージは現在でも概して高価だ。しかし、x86サーバーの圧倒的な高性能化、分散ストレージ技術の成熟などが進んだことで、ストレージの分野でもSoftware-Definedによる安価でオープンなストレージプールが実現できるようになっている。

 大谷はクラウド台頭によるコスト圧力の高まりの中、ストレージのSDS対応や統合型インフラ製品への移行は、もはや不可避の流れと説明。大手ベンダーやSDSスタートアップの最近の動向をひもときながら、各社のアプローチの違いやSDSに向かう直近の流れ、さらにはSDSに最適な適用範囲などを紹介した。

コストと性能が二極化する市場でのHPのSDSの価値

 基調講演に引き続き登壇した日本HPの林正記氏は、データの増大や多様化するテクノロジー、複雑性の増大といった中、New Style of ITに対応したストレージ基盤の重要性をアピール。ストレージの特性がコストと性能の二極化する市場において、性能やSLA最適を実現するService Refined Storage(SRS)とコスト面での最適化を実現するSoftware Defined Storage(SDS)、そして両者を統合管理するプラットフォームを提供していくとHPのストレージ戦略について説明した。

HPのSDS戦略や製品概要について説明した日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部 林正記氏

 林氏は、具体的なHPのSDS製品として、ストレージクラスターやシンプロビジョニングに対応したiSCSI共有ストレージをソフトウェアで提供する「HP StoreVirtual VSA」を紹介。専用ストレージサーバーとして利用できるだけではなく、既存のサーバーと同居させることで拡張性の高いストレージプールを安価に提供できるとアピールした。

 セミナーの後半では、「HP SDS製品VSAはどこまで使えるのか」と題して、HP StoreVirtual VSAを徹底的に評価した結果を披露。サーバー内蔵ディスクを利用したHP StoreVirtual VSAが現実的にどこまでの性能を実現するのか、どのような用途に向くのかなどが説明された。

 さらにSDSの技術を取り込んだ中小企業向けの仮想化統合基盤として3月に発表された「HP ConvergedSystem200-HC」の詳細もいち早く紹介された。SIパートナーにとっての統合インフラ製品やクラウドに比べたコスト面・性能面での比較など興味深いトピックも披露。全体を通して、HPのSDS戦略と具体的なソリューションを詳細に理解できるようになっていた。

 HPでは今後もSDSやバックアップなど数多くのセミナーを開催していくという。

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