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マイクロソフト・トゥディ 第140回

マイナンバー対応で始める「Windows Server 2003」移行

2015年04月16日 22時30分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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 2015年7月15日のWindows Server 2003のサポート終了まで、ちょうど3ヵ月を切った。

 IDC Japanの調べによると、2015年3月末時点で、国内で稼働しているWindows Server 2003は14万台。2014年末の21万台に比べると、わずか3ヵ月で7万台を削減した計算だ。だが、日本マイクロソフトでは、7月15日までに5万台までに削減する目標を掲げており、これから約3ヵ月で9万台の削減を見込むことになる。サポート終了間近になればなるほど、スピードは速まるが、それでもかなり急ピッチで進めなくてはならないのは明らかだ。

日本マイクロソフトでは、7月15日までに5万台までに削減する目標を掲げており、これから約3ヵ月で9万台の削減を見込むことになる

 2013年末時点で、36万台のWindows Server 2003が稼働していたことに比べると、そこから約6割も削減した計算になるが、ここで改めて“ねじ”を巻きたいのが日本マイクロソフトの本音だろう。日本の多くの企業が4月から新年度に入り、新年度予算の中で急ピッチで新OS環境への移行に踏み出し始めたという状況もある。この弾みがどれぐらいのものになっているのか、気になるところだ。

マイナンバー制度が追い風に

 追い風といえるのは、2015年10月から付与されるマイナンバー制度の実施にあわせて、システムを刷新するという動きだ。

 日本マイクロソフトの調べでも、4月以降に新たなServer OS環境に移行するとしたユーザーの約3割が、マイナンバーへの対応にあわせて実施するとの姿勢をみせており、マイナンバー制度をきっかけとした移行の動きは見逃せない。

4月以降に新たなServer OS環境に移行するとしたユーザーの約3割が、マイナンバーへの対応にあわせて実施するとの姿勢をみせている

 マイナンバー制度は、あらゆる企業に対応が求められるもので、IT市場全体に波及する経済効果は3兆円規模に達するとの試算もある。Windows Server 2003からの移行には、いいきっかけ作りではあるが、その一方で、現時点でも具体的なマイナンバー制度に対する最適なITシステム対応の姿が見えないというもどかしさもある。サポート終了の7月から、マイナンバーの付与開始までの10月という3ヵ月間は極めて微妙な期間だと言わざるを得ない。

 システム構築の遅れによる悪影響など、ひとつ間違えばWindows Server 2003をしばらく使い続けなくてはならないという、いわば逆効果にもなりかねない。

地方都市の企業、従業員数が少ない企業での遅れ

 もうひとつ日本マイクロソフトが懸念しているのが、地方都市の企業や、従業員数が少ない企業での移行が遅れている点だ。

 今年3月に日本マイクロソフトが実施した調査によると、250人以上の企業においては、「入れ替え中/入れ替え予定」と回答した企業が73.6%に達する。一方、249人以下の企業では49.0%と半分以下に留まり、40.3%の企業が「これから検討」、10.7%の企業が「予定なし」と回答している。

 中小企業で移行が進まない理由としては、「予算確保、経営層の理解」を要因とする企業が48.3%と圧倒的に多い。次いで、「社内の人で不足」、「アプリケーションの改修コストが高い」と続く。

中小企業で移行が進まない理由

 また同社の調べによると、Windows Server 2003の稼働率は、四国での19.3%を筆頭に、東北15.2%、中国14.2%が残るなど、地方都市での移行の遅れが気になる。2014年末時点での21万台という数字は、13.1%の稼働率であり、地方都市での遅れが浮き彫りになる。

 日本マイクロソフトでは、昨年後半から、地方新聞6紙450万部で、サポート終了告知に関する広告を掲載。地方局において、27の情報番組での告知を実施。さらに、商工会議所や経済産業省と共催でセミナーを開催し、全国20ヵ所、400人の参加を得たという。日本マイクロソフトの直接訴求や、地元のシステムインテグレーターなどからはアプローチできない企業などに対して、こうした活動を通じて、認知を高めてもらおうという取り組みだ。

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