このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第190回

最高峰のマウス「MX Master」で安定の操作性を手に入れる

2015年04月16日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

動作が自動で切り替わるホイールの使い勝手が最高

 ホイールには2つのモードがあり、軽いクリック感のある「クリック・トゥ・クリック(ラチェット)」モードと、抵抗がなく回転し続ける「高速スクロール(フリースピン)」モードを切り替えて利用する。オフィス文書を編集中に正確なスクロールをする場合はクリック感がある方がいいし、縦に長いウェブページを一気に移動する場合は高速スクロールする方が便利だ。

 この動作はマニュアルシフトボタンを押すことで切り替えられるが、本製品はさらに自動切り替え機能を搭載しているのが特徴。これはSmartShift機能と呼ばれ、「クリック・トゥ・クリック」モードでも、一定のスピード以上で回した時に自動で高速スクロールできる。この機能は2006年に発売された「MX-R」に搭載されたきり、後継機種でも採用されなかった。本モデルで久しぶりに復刻したというわけだ。

ホイールを勢いよく回すと、フリースピンモードに自動で切り替わり、超高速でスクロールできる

 筆者が普段使っている「G700」もラチェットモードとフリースピンモードがあるが、切り替えはボタンのみ。「MX Master」はホイールを勢いよく回すと、自動で高速スクロールが始まるのでとても便利。ホイールを止めると、カチッというフィードバックと共にクリックモードに戻る。さらに「G700」のマニュアルシフトボタンは機械式だったが、「MX Master」は電子式。無効化したり、ほかの動作を割り当てることも簡単だ。SmartShift機能のオンオフや、自動で切り替わる感度などは設定ソフトの「Logicool Options」からカスタマイズできる。

「Logicool Options」の「ポイント&スクロール」タブで、SmartShiftの設定が可能

ボタンの動作をカスタマイズできる

 「G700」は13ボタンを備えており、多彩なカスタマイズができた。「MX Master」も数は7つと減ったが、ボタンの動作を自由に設定できる。「Logicool Options」の「マウス」タブを開くと、マウスの写真が表示されるので、設定したいボタンをクリック。すると設定できる動作の一覧が表示されるので、選択すればいい。最初はお勧めの項目だけが表示されるが、「もっと多く」をクリックすると、設定可能なすべての項目が現れる。前出した通り、マニュアルシフトボタンにも任意の動作を割り振ることができる。

 設定できるのは、進む・戻るやアプリケーションの切り替え、ウィンドウサイズの変更、デスクトップの表示など多岐にわたる。任意のファイルやフォルダーアプリケーションを開いたり、チャームや設定メニューを開くことも可能。

 ボタンだけでなく、親指の位置にあるサムホイールの動作もカスタマイズできる。初期設定では水平スクロールになっているが、筆者の場合あまり使わない。ほかには、アプリケーションの切り替え、拡大縮小、タブの移動、次・前、戻る・進む、輝度の調整、音量の調整が可能。すべて使ってみたが、アプリケーションの切り替えとタブの移動がしっくりきた。

「Logicool Options」の「マウス」タブでボタンの動作をカスタマイズできる

「もっと多く」を開くと多数の項目から選べる

マニュアルシフトボタンの動作もカスタマイズできる

サムホイールの動作をどう設定するかは悩みどころ

ジェスチャーボタンを使い倒したい

 親指の下に配置されているジェスチャーボタンはちょっと変わっている。初期設定ではジェスチャーボタンを押すとアプリの切り替えウィンドウが開き、マウス操作やホイールやサムホイールで選択すればそのアプリがアクティブになる。さらに、ジェスチャーボタンを押したまま、左右に動かすとそのウィンドウが左右にスナップされる。上に動かせばウィンドウが最大化し、下に動かすとすべてのウィンドウが最小化する。

 ほかには、音楽の再生・一時停止、ボリューム調整が可能な「メディアコントロール」やパン、拡大縮小、回転、ウィンドウの整列などが用意されている。「カスタマイズ」機能ではそれぞれの動作に普通のボタンと同じ動作を割り当てることも可能だ。筆者が便利に使っているのは、コピー・貼り付けや「フォルダを開く」などだ。最近Windowsが不安定でマウス操作以外がフリーズしてしまうことがあるので、シャットダウンやサインアウトも重宝している。

ジェスチャーボタンの動作を7種類から選べる

「カスタム」では、それぞれの動作を設定できる

 ハイエンドマウスと謳っているだけあり、スタイリッシュなデザインや高度なカスタマイズ性、G700と比べて格段に伸びたバッテリー駆動時間など、文句なしの完成度。SmartShift機能によるホイールのスムーズな使い勝手も最高だ。ジェスチャーボタンは特異な親指操作なので賛否はあるだろうが、合わなくても使わなければいいだけなので問題はないだろう。Darkfieldテクノロジーにも対応しているので、リビングのガラステーブルでも利用できる。

 前回(「第189回 海外旅行で必須! USBメモリーサイズPC「m-Stick」を活用する技」)紹介した「m-Stick」などで利用するのにぴったりで、メインPC用とリビング用の2つ欲しくなる。価格は約1万4000円と高めだが、マウスを長時間使う人にはイチオシ。きちんとカスタマイズして使いこなせば作業効率も上がる。興味のある人は量販店などで、PCにつないである実機に触れてみることをお勧めする。もう激安マウスには戻れなくなること請け合いだ。

リビングのガラステーブルでも利用できる


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン