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OpenStack Swift+大容量ストレージサーバーのSDSソリューションも

商用OpenStackバージョンアップなど「HP Helion」が強化

2015年04月14日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月13日、「HP Helion」クラウドポートフォリオの拡充を発表した。「OpenStack」商用ディストリビューションおよびPaaS基盤ソフトウェアをバージョンアップしたほか、技術コンサルティングでもクラウドプラットフォーム構築のためのサービスを強化した。

日本HP 執行役員 テクノロジーコンサルティング事業統括 有安健二氏

日本HP テクノロジーコンサルティング事業統括 テクノロジーコンサルティング事業統括本部 ビジネス開発本部 本部長 庄野雅司氏

日本HP クラウドビジネス統括本部 統括本部長 春木菊則氏

Helion OpenStackがバージョンアップ、SDSソリューションも投入

 昨年10月の提供開始時(関連記事)に公約した「6カ月ごとのメジャーリリース」のとおり、Helion OpenStackは新版となるバージョン1.1がリリースされた。

 Helion OpenStack 1.1は、OpenStackの最新安定版リリース“Juno”をベースに構成されており、「セキュリティ自動化および設定機能の強化」や「Software-Defined Storage(SDS)機能の強化」などの機能拡張が施されている。

Helion OpenStack 1.1の機能拡張。セキュリティ分野では「HP Arcsight」との統合も

 Helion OpenStackのバージョンアップに伴い、同OpenStackと連携する「Cloud Foundry」ベースのPaaS基盤「Development Platform」もバージョンアップされた。

 また、高密度/大容量ストレージサーバー「HP ProLiant SL4500」(関連記事)をストレージノードとして利用するオブジェクトストレージソリューション「Helion Content Depot」も発表された。同ソリューションでは、大容量かつ低コストなストレージを必要とするクラウドサービスプロバイダーなどをターゲットとして、OpenStack SwiftベースのSDSを提供する。

4.3Uのシャーシに最大60台ものドライブを収容できる“ストレージサーバー”SL4500を用いたSDS/オブジェクトストレージソリューション

クラウドプラットフォームのコンサルティングを強化

 テクノロジーコンサルティングサービスでは、顧客のクラウドプラットフォーム構築を支援する「HP Platform 最適化サービス」において、新サービスの追加と既存サービスの拡充を行っている。

クラウドプラットフォームの計画から設計、構築、運用/改善までを支援する「HP Platform 最適化サービス」が拡充された

 新たに提供される「テクニカルワークショップ」は、日本HP本社(大島オフィス)に設置されたクラウド環境を実際に試用しながら、HPとのディスカッションを通じて最新技術に関する機能やメリット/デメリットへの理解を深めるもの。テクノロジーコンサルティング事業統括本部の庄野氏は、半日間のワークショップを通じて「顧客にとっての大きな指針を出していく」ものだと説明した。

 またHPは、既存の「プラットフォーム デザインサービス」や「プライベート、ハイブリッドクラウド構築サービス」を拡充している。デザインサービスでは、新たにリファレンスアーキテクチャを用意し、現状の顧客環境と方向性に応じて適切な推奨構成を適用することで、設計期間を短縮する。同様に構築サービスでも、このリファレンスアーキテクチャに基づき実装を行うことで、テスト工数の削減などによる構築期間短縮を図る。

 庄野氏は、顧客にとってはクラウドプラットフォームを成熟させていくための具体的な方法がわかりにくく、次のステップに進めない「思考停止に陥っているのでは」と指摘。HPでは、クラウドプラットフォームが必要とする機能要素をマップ化したうえで、現状のプラットフォームの成熟度に応じたリファレンスアーキテクチャを用意したことを説明した。

クラウドプラットフォームに必要な機能要素を洗い出し、成熟度に応じたリファレンスアーキテクチャを定義した

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