このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

マイクロソフト・トゥディ 第139回

Windowsタブの問題点は、低価格化が“起爆剤”になっていないこと

2015年04月13日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 BCNの調べによると、今年3月の量販店におけるタブレット販売実績において、Windowsタブレットのシェアは16.8%となった。

 実は、この傾向はこの1年ほとんど変化していない。

 2013年11月までは1桁シェアで推移していたが、8型タブレットが登場したのをきっかけに、2013年12月は14.6%とシェアが拡大。その後、15%を突破する形で推移している。

タブレット端末 搭載OS別販売台数構成比推移(2013年3月〜2015年3月/月次推移)

 一方、iOSを搭載したiPad、Android搭載タブレットは、ともに40%台のシェアで高止まりのまま推移。2強が拮抗を続けている。新製品の発売時には、一時的に5割のシェアに達することもある。

 低価格を“売り”に手軽に購入できるAndroid、高価格帯で独自性を発揮するiPadという住み分けもできているといえるだろう。

 この構図からもわかるように、iOS、Androidの2強体制の中に、Windowsタブレットは食い込めていない状況だ。2強との差はまだまだ大きい。

Windowsタブレットの価格下落

 だが、シェアにはそれほど大きな変化はなくても、Windowsタブレットを取り巻く環境は大きく変化しているようだ。

 なかでも最も大きな動きといえるのが、平均単価の下落だろう。

 BCNの調べでは、2013年3月には6万6000円だったWindowsタブレットの平均単価は、2014年3月には4万8000円と大きく下落。そして、2015年3月は3万7000円とさらに下落している。この2年間での下落率は約45%と、半額近いところにまで落ちているのだ。

平均単価の推移
年月 平均単価(万円)
2013年3月 6.6
2014年3月 4.8
2015年3月 3.7

 実際、3月のWindowsタブレットの売れ筋ベスト10を見ても、4万円を切る低価格モデルが5機種入っており、低価格モデルに人気が集まっていることがわかる。5位となった日本エイサーのIconia Tab 8 Wの平均単価は、1万7000円という低価格が売りだ。

Windows搭載タブレット
上位10機種(2015年3月現在)
順位 メーカー名 製品名 型番 平均単価
(万円)
1 ASUS JAPAN ASUS VivoTab Note 8 R80TA R80TA-3740S 2.4
2 NECパーソナルコンピュータ LaVie Tab W TW708/T1S 3.1
3 レノボ・ジャパン YOGA Tablet 2 with Windows 59435738 4.7
4 レノボ・ジャパン YOGA Tablet 2 with Windows 59428422 4.1
5 日本エイサー Iconia Tab 8 W W1-810-F11N 1.7
6 ASUS JAPAN ASUS TransBook T100TAM T100TAM-DK564S 5.1
7 レノボ・ジャパン Lenovo Miix 2 8 59428524 2.5
8 レノボ・ジャパン YOGA Tablet 2 with Windows 59430641 2.7
9 NECパーソナルコンピュータ LaVie Tab W TW710/T2S 7.9
10 ASUS JAPAN ASUS TransBook T100TAM T100TAM-B-GS 6.4
10 東芝 dynabook Tab S80 PS80NGP-NXA 5.8

 こうしたWindowsタブレットの価格下落の背景には、マイクロソフトの施策が大きく影響している。

 本コラムでも何度か触れているが、2014年4月、マイクロソフトは、9型以下のディスプレイを搭載したデバイスに対してWindowsを無償で提供するプログラムを開始。さらに、Windows 8.1 with Bingと呼ばれるOSを用意。これを搭載することによって、ライセンス費用を削減できるといった施策も用意している。こうしたプログラムの恩恵を最も受けるのが、9型以下のディスプレイが多い、Windowsタブレットということになる。

 実際、同プログラムが開始されて以降、日本においても低価格Windowsが相次いで登場しており、ユーザーの選択肢も広がっている。

 さらに、CTE(チャイナ・テクノロジー・エコシステム)によって、台湾や中国のODMベンダーが生産した低価格のWindowsタブレットが、日本に上陸する環境も整っている。

 これも今後、Windowsタブレットの広がりに弾みをつける可能性がある。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン