BCNの調べによると、今年3月の量販店におけるタブレット販売実績において、Windowsタブレットのシェアは16.8%となった。
実は、この傾向はこの1年ほとんど変化していない。
2013年11月までは1桁シェアで推移していたが、8型タブレットが登場したのをきっかけに、2013年12月は14.6%とシェアが拡大。その後、15%を突破する形で推移している。
一方、iOSを搭載したiPad、Android搭載タブレットは、ともに40%台のシェアで高止まりのまま推移。2強が拮抗を続けている。新製品の発売時には、一時的に5割のシェアに達することもある。
低価格を“売り”に手軽に購入できるAndroid、高価格帯で独自性を発揮するiPadという住み分けもできているといえるだろう。
この構図からもわかるように、iOS、Androidの2強体制の中に、Windowsタブレットは食い込めていない状況だ。2強との差はまだまだ大きい。
Windowsタブレットの価格下落
だが、シェアにはそれほど大きな変化はなくても、Windowsタブレットを取り巻く環境は大きく変化しているようだ。
なかでも最も大きな動きといえるのが、平均単価の下落だろう。
BCNの調べでは、2013年3月には6万6000円だったWindowsタブレットの平均単価は、2014年3月には4万8000円と大きく下落。そして、2015年3月は3万7000円とさらに下落している。この2年間での下落率は約45%と、半額近いところにまで落ちているのだ。
平均単価の推移 | |
---|---|
年月 | 平均単価(万円) |
2013年3月 | 6.6 |
2014年3月 | 4.8 |
2015年3月 | 3.7 |
実際、3月のWindowsタブレットの売れ筋ベスト10を見ても、4万円を切る低価格モデルが5機種入っており、低価格モデルに人気が集まっていることがわかる。5位となった日本エイサーのIconia Tab 8 Wの平均単価は、1万7000円という低価格が売りだ。
Windows搭載タブレット 上位10機種(2015年3月現在) |
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順位 | メーカー名 | 製品名 | 型番 | 平均単価 (万円) |
1 | ASUS JAPAN | ASUS VivoTab Note 8 R80TA | R80TA-3740S | 2.4 |
2 | NECパーソナルコンピュータ | LaVie Tab W | TW708/T1S | 3.1 |
3 | レノボ・ジャパン | YOGA Tablet 2 with Windows | 59435738 | 4.7 |
4 | レノボ・ジャパン | YOGA Tablet 2 with Windows | 59428422 | 4.1 |
5 | 日本エイサー | Iconia Tab 8 W | W1-810-F11N | 1.7 |
6 | ASUS JAPAN | ASUS TransBook T100TAM | T100TAM-DK564S | 5.1 |
7 | レノボ・ジャパン | Lenovo Miix 2 8 | 59428524 | 2.5 |
8 | レノボ・ジャパン | YOGA Tablet 2 with Windows | 59430641 | 2.7 |
9 | NECパーソナルコンピュータ | LaVie Tab W | TW710/T2S | 7.9 |
10 | ASUS JAPAN | ASUS TransBook T100TAM | T100TAM-B-GS | 6.4 |
10 | 東芝 | dynabook Tab S80 | PS80NGP-NXA | 5.8 |
こうしたWindowsタブレットの価格下落の背景には、マイクロソフトの施策が大きく影響している。
本コラムでも何度か触れているが、2014年4月、マイクロソフトは、9型以下のディスプレイを搭載したデバイスに対してWindowsを無償で提供するプログラムを開始。さらに、Windows 8.1 with Bingと呼ばれるOSを用意。これを搭載することによって、ライセンス費用を削減できるといった施策も用意している。こうしたプログラムの恩恵を最も受けるのが、9型以下のディスプレイが多い、Windowsタブレットということになる。
実際、同プログラムが開始されて以降、日本においても低価格Windowsが相次いで登場しており、ユーザーの選択肢も広がっている。
さらに、CTE(チャイナ・テクノロジー・エコシステム)によって、台湾や中国のODMベンダーが生産した低価格のWindowsタブレットが、日本に上陸する環境も整っている。
これも今後、Windowsタブレットの広がりに弾みをつける可能性がある。
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