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レースクイーンもあるよ! ディーゼルデミオがスーパー耐久で完走!

2015年04月12日 15時00分更新

文● 松永和浩 写真●松永和浩 編集●末岡大祐/ASCII.jp

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圧倒的な低燃費!
レーシングスピードでリッター7kmの驚異!

 予選は大方の予想通り残念なタイムで、最後尾からのスタートとなった。エントリー台数が45台と多いため、グリッド位置はメインストレートを遥かに超えて最終コーナーにまで差し掛かる位置となる。後ろを振り返れば、もてぎ名物のトンネルが見える位置だ。

 そんな最後尾グリッドで交わされた言葉に、筆者は驚きを隠せなかった。スタートドライバーの谷川達也選手が「どれぐらいでピットに戻るの?」と監督に質問すると野上監督は「2時間30分くらい? あとは様子を見ながら」と返す。

 2時間半といえば5時間のレースの約半分だ。レースカーがそんなに走れるものなのか!? これを聞いたとき、よくある冗談かと思った筆者だが、それにしては両者とも真顔であることに驚いたのだ。

グリッド位置は最後尾。右奥にトンネルが見えるほどの位置だ

この後、グリッドで謎の会話が……

 12時15分。問題なくフォーメーションラップが行なわれ、5時間という長丁場のレースがスタートする。1時間を過ぎたあたりから各クラスのマシンが次々とピットインし、タイヤ交換やドライバーチェンジ、そして給油をするのだが、デミオXD「DXLアラゴスタNOPROデミオSKY-D」はピットに入る素振りをまったく見せない。2時間が経過し、同じクラスのライバルたちは2回目のピットインをするがデミオXDはまだまだ快調に周回を重ねていく。

 「いつになったらピットインするんですか?」ピットで休憩中の野上達也選手に聞くと「まだもう少し行くと思う。規定では1人の選手で3時間20分は走っていいことになっているし、満タンで315kmは走れる計算だから」。グリッドで聞いた冗談は冗談ではなかった!

デミオXDは淡々と周回を重ねる

 デミオXDが参戦するST-5クラスはガソリン車で1.5リッター相当のコンパクト車クラス。このクラスといえどもレースでの燃費はリッターあたり4.5km程度で、45リッターの安全タンクを装備した場合は満タンで200km程度の走行が可能だ。燃費がいいといわれたTeam NOPROの昨年のマシンである先代デミオ(ガソリン車)でもリッターあたり5km弱。その上、ST-5クラスではピット作業での給油は20リッターまでという規定があるために、5時間レースでのピット回数は4~5回になる。なお、規定ピット回数は3回だ。

 しかし、今回のデミオXDは300kmを無給油でいこうというのだ。想定航続距離315kmを45リッターで割ればリッターあたり約7km。ほぼアクセル全開というレースでの燃費としては異常ともいえる好燃費である。

2時間50分後、ようやくピットに戻ってきたデミオXD

 2時間50分を過ぎたあたりで、やっとピットに戻ってきたデミオXD。この時点での周回数は63周、距離にして約302km。本当に300km以上を無給油で走りぬいた。クリーンディーゼルの燃費のよさに驚きを隠しきれない。まさにエコカーだ。

 その後も1時間ほどでピットインをしたが、ほぼ規定ピットインを消化するようなもので、3回目のピットインはレース終了の15分前といったところ。

 「5時間レースであればピット2回で完走できるレベルの燃費」とは野上達也選手の言葉だが、5回もピットインする同じクラスのライバルたちからすれば信じられないことだろう。

ゴールの瞬間! 日本初のディーゼルチャレンジでデミオXDは見事に完走をはたした

 そして5時間後のゴール。初陣を見事に完走したデミオXD。出走45台中、総合順位は40位。クラスでは最下位だが6位としてポイントも獲得した。

 燃費に関して驚くべき性能を見せつけたデミオXDだが、遅いから当然だろうという意見もチラホラと出てきていた。しかしホンダ フィット3には及ばないまでもトヨタ ヴィッツ勢には同一周回でのフィニッシュとなっている。デミオXDが極端に遅いわけではなさそうだ。

 今後もこの燃費のよさを活かして、大いにスーパー耐久を沸かせてくれることだろう。

 スーパー耐久シリーズはこのあと、5月23~24日のSUGOスーパー耐久3時間レース、7月4~5日の富士スーパー耐久8時間レースと続き、全6戦で戦う。


(次ページでは、「そもそもスーパー耐久ってどんなレース?」)

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