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サーバー仮想化、ネットワーク仮想化/SDN、クラウド、仮想デスクトップを盛り込む

港区立幼稚園/小中学校の共有システム基盤、NECが構築

2015年04月07日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 NECは4月2日、東京都港区教育委員会に対し、学校間/教職員間の情報共有や円滑なコミュニケーション、校務の効率化を支援する新情報共有システム基盤を納入したと発表した。サーバー仮想化やネットワーク仮想化/SDN、リモートデスクトップ、SaaSなどを盛り込んだ情報基盤となっている。

 港区教育委員会では、2014年に策定した「港区学校情報化アクションプラン」に基づき、ITを活用した授業の充実化や児童生徒の情報活用能力の育成、校務効率化などを図るため、IT環境の整備を進めている。今回のシステムは、4月1日に開校した「白金の丘学園」を皮切りに、9月までには港区全40校の区立幼稚園、小中学校で順次利用を開始する。

今年4月に開校した小中一貫教育校「白金の丘学園」

 同システム基盤ではまず、これまで各学校に設置されていたWebフィルタリングサーバーやファイルサーバー、認証サーバーをセンターに集約。これにより、フィルタリングポリシーなどの一括制御が可能になった。また、センターに設置された「Express5800/ECO CENTER」サーバーと「Windows Server 2012 R2 Hyper-V」によるサーバー仮想化により、消費電力を抑えた効率的なシステム集約を実現している。

 加えてセンターのネットワークでは、「UNIVERGE PFシリーズ」の持つSDN機能を活用することで、各学校単位のセキュリティを確保した通信環境を実現している。今後、学校の新設や統廃合が行われた場合でも、ネットワークを止めることなくスムーズに通信環境を変更できる。

 さらに、教職員用PCにはリモートデスクトップサービス(RDS)と「Microsoft Office 365」を採用。これまではインターネット接続できる「研究用途PC」と、児童生徒の個人情報を扱う「教務用途PC」の2台を使い分けていたが、RDSにより1台のPC画面上で2つの環境を安全に使い分けられるようになった。また、Office 365は教職員間のコミュニケーションと情報共有に用いられ、今後導入を検討しているテレワーク基盤にもなっている。

 港区では今後、このシステム基盤上に区で統一された校務支援システムを新規導入し、学校間の連携強化や校務の効率化を図ることで教育の質を向上させ、「教育の港区」のさらなるレベルアップを目指していくとしている。

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