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課題解決フォーラム(KKF-Ⅱ)として新サービスを開始

ブリッジインターナショナル、新規顧客開拓支援サービスを強化

2015年04月06日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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ブリッジインターナショナルは、システムイングレータやベンダーなどのIT関連企業を対象にした新規顧客開拓支援サービスを強化。2015年4月6日から、「課題解決フォーラム(KKF-Ⅱ)」として、新サービスを開始する。

中立的な立場でITに関する課題を発掘

 ブリッジインターナショナルは、2002年に創業以来、延べ1000社以上の企業を対象に、営業改革支援サービスを提供。特に「インサイドセールス」と呼ぶ、電話やWeb、メールを活用した営業活動のアウトソーシング事業で高い実績を持つ。

 今回の新規顧客開拓支援サービスは、年間100万件以上のコンタクト実績を持つ、同社のインサイドセールスのノウハウを活用して、ユーザー企業が持つIT導入/運用に関する課題を顕在化。会員登録したIT企業とマッチングさせることで新規顧客の獲得を支援するというものだ。

「課題解決フォーラム(KKF-Ⅱ)」の概要

 具体的には、ブリッジインターナショナルのコンシェルジュと呼ばれるKKF-Ⅱ専任スタッフが、ユーザー企業のIT部門担当者と、電話やメールなどのマルチチャンネルを活用して、定期的にコンタクトを行ない、中立的な立場でITに関する課題を発掘。ITの導入や運用に関する課題要件のほか、予算や責任者などの情報を集約し、案件情報としてウェブサイトに掲示する。この際には、課題や企業規模、予算などについては、明確化しているが、具体的な企業名や連絡先は公開しない。

 一方で、システムインテグレーターやITベンダーなどは、課題解決フォームにIT企業会員として登録。サイトに公開された課題情報をもとに、案件を解決するIT企業としてエントリーする。課題情報は5営業日掲載されており、ユーザー企業の要望によっては、掲示期間がさらに短い場合もあるという。

 事務局では、エントリーの連絡があったIT企業の情報を、ユーザー企業に連絡する。IT企業の詳細情報については、マイページ機能を使って、事前に、各社が自社情報を登録しており、得意なソリューションなどを示すことができる。

 ブリッジインターナシショナル 第三サービス本部第四サービス部 部長の川口京子氏は「モバイルやビッグデータ、レガシーマイグレーション、インフラ、セキュリティなど、70項目近いジャンルから、リード登録ができる。また、対応できるエリアや、得意とする業種も登録できるため、得意分野を明確にした上で、ユーザー企業とマッチングさせることができる」という。ユーザー企業は、そのなかから課題解決に関して商談を進めるIT企業を選択して、事務局に連絡。選ばれたIT企業に対して、初めてユーザー企業の連絡先が明確にされる。

 ブリッジインターナショナル 社長 吉田融正氏は「課題を持っている企業においては、いまつき合いがあるIT企業ではその課題を解決ができないと考えている場合も多く、課題を解決してくれる新たな企業を求めている。また、登録IT企業にとっても、自分たちが得意とする領域において、新たな顧客を発掘できるきっかけになる」という。

ブリッジインターナショナル 社長 吉田融正氏

2000社以上のユーザー企業が登録

 ブリッジインターナショナルでは、2011年からネットを通じて、課題解決フォーラム(KKF)を開始。これまでに2000社以上のユーザー企業が登録。約200社のIT企業が参加していた。

 従来の仕組みでは、案件の成約ごとにIT企業に課金する成功報酬型の料金体系としていたが、これに加えて、新たに月額5万円の定額制を導入。定額制をベースにした仕組みへと移行する。「定額制にしたことで、IT企業は無制限に質の高い情報を得ることができる。一方で、ユーザー企業は、これまで通り、課題解決に対応することができる新たなIT企業の情報を、無料で得ることができる」(川口氏)

KKF-Ⅱでは定額制を導入。相談案件も全部公開されるほか、案件のトラッキング、エンドユーザーとのダイレクトコミュニケーションも提供される

Webサイトの刷新で具体的な課題まで検索可能に

 現在、2人のコンシェルジェがインサイドセールスのノウハウを活用して、案件を発掘しているが、これを4人体制とすることで、月30~40件掲示される新たな案件を、倍増させる考え。「2017年までの3年間で、現在2000社のユーザー企業会員を、1万社に拡大。月額契約のIT関連企業は年内には100社にまだ拡大させる」(吉田氏)としている。

 さらに、KKF-Ⅱのサービス開始に伴い、Webサイトを刷新。ビジネスマッチングとして、新着課題を一覧表示し、具体的な課題を検索できるようにしたほか、製品やサービスといった切り口からの検索を可能とした。また、「Q&A」機能も用意し、ユーザー企業が持つ疑問などに対して、登録IT企業が回答する仕組みを採用。ユーザー企業とIT企業とのダイレクトコミュニケーションを支援できるようにした。「登録したIT企業がQ&Aに回答することで、フォーラム内での認知度を高め、企業としての信頼性を高めることもできる。そうした効果も狙っている」(川口氏)としている。

課題の種類から製品やサービスを探せる

 さらに、IT企業の会社概要やサービス内容といった紹介情報の充実、IT企業が主催するセミナー情報なども掲示できるようにした。そのほか、「今週の注目ソリューション」として、新着課題の数などから、いま、ユーザー企業からどんな課題が多くあがっているのかがわかるほか、定期的なアンケートを通じて、ユーザー企業がどんな内容について関心が高いのかといった情報をリアルタイムで集計するサービスも提供する。新たなユーザー企業からの資料請求や、問い合わせのフィードバック機能の提供、登録IT企業が主催するセミナーへの参加申し込み処理機能なども提供する。

セミナー情報などの掲出も可能になった

 「マッチングしたあとの商談が、うまくいった場合、あるいはうまくいかなかった場合でも、その理由がなんだったのかといったことを、ユーザー企業の生の声として、IT企業にフィードバックできる。コスト面での課題であったのか、技術的な課題であったのか、なにが評価が高かったのかということも、フィードバックを通じて確認することが可能だ」(吉田氏)という。

 IT分野における課題解決のためのマッチングサービスはいくつかあるが、ブリッジインターナショナルが提供するサービスは、会員制としていること、同サービスの専任コンシェルジュによって、具体的な案件として、詳細な内容が提示されること、また、ユーザー企業がIT企業紹介の希望意思を行うまで、情報が他社に渡らないといった特徴がある。

 「ユーザー企業の同業他社に、ITに関する課題を知られたり、冷やかしで閲覧さたり、不用意に情報がダウンロードするといった使い方が防止できる仕組みになっている。本気で課題解決をしたいユーザー企業、具体的な案件に辿りつきたいIT企業にとっては有効な仕組みになる」(川口氏)と自信をみせている。

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