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時計をめぐる四方山話 ― 第3回

カジュアルな服装でOKな職種なら、スポーツバンドもアリ

Apple Watchのストラップは、TPOで選ぶべき

2015年04月03日 09時00分更新

文● Watch Your Watch 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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 豊富なストラップはApple Watchの魅力を増す大きな要素。一般的な腕時計のメタルブレスに近いリンクブレスレット、メタルを編みこんだミラネーゼループ、樹脂製のスポーツバンド、レザーはモダンバックル、レザーループ、クラシックバックルの3種類。そのいずれも手首に接する側をフラットにデザインしているのは興味深い。キーボードを打つ際に邪魔になりがちなクラスプ(留め金)に気を配るあたり、Appleと腕時計ブランドの違いが読み取れる。

腕時計ベルト略史〜選ぶ前に知っておきたいこと

 腕時計の黎明期、リストレットと呼ばれる懐中時計を腕に括り付けるベルトは革製だった。革はもっともポピュラーな素材のひとつ。丈夫で肌触りも良い革を素材に選んだのはごく自然なことだった。革の弱点は汗や水だが、そもそも時計に防水性がなかった時代。乾燥した欧米の気候のもとで使われている分には何も問題はなく、レザーは長い間ウオッチストラップの代表的な素材だった。

 当時は欧米諸国がアジアやアフリカに植民地を持ち、客船の航路網が世界に広がっていた時代。やがて腕時計はヨーロッパとは次元の違う高温多湿の環境でも快適に活動できる性能を求められるようになった。

 1906年にイギリスで時計商社を経営するハンス・ウィルスドルフが、伸縮可能な腕時計用メタルバンドを発明すると、腕時計のメタルバンドは一気に普及することになる。ちなみに彼の会社はのちにロレックス・ウォッチカンパニーに社名変更し、頑丈なケースと自動巻き機構を備えたブランドとして腕時計の歴史を変えることになる。ロレックスは腕時計を極地や海中でも確実に機能する、信頼できるツールに育てたが、その多くのモデルには耐食性の高いステンレス製ブレスレットが採用されていた。

 ダイバーズウオッチにはウエットスーツの有無でサイズを変えやすいことが要求されるため、メタルブレスレットではなくストラップを求めるダイバーも多い。ごく初期には驚くべきことに革製だった潜水時計用ベルトは、1960年代にはゴム製、80年代にはウレタン製が主流となる。実用一辺倒と思われていたラバーストラップを、ゴールドケースの高級時計に合わせる斬新さで、世界を驚かせたのはウブロ。その後多くの高級ブランドも、スポーツモデルにラバーストラップを組み合わせるようになった。

利用場所に合わせて多様化したストラップ

 Apple Watchのラインナップには存在しないが、布素材もウオッチストラップに適した素材だ。軍装品のウオッチストラップとして、古くから用いられていた素材はコットン。やがてナイロンが主流になる。ナイロン製ストラップは水を吸わず通気性があり、熱帯のジャングルで汗や水にまみれる兵士からは非常に好評だったという。透水性と通気性は強いて言えば、メタルを編んだミラネーゼブレスに通じるものがある。高温多湿な日本の夏に適した選択かも知れない。

 さて、Apple Watchに話を戻そう。どれを選ぶか迷われている方は、TOPに則した腕時計のドレスコードを参考にされてはいかがか。

 ビジネスシーンでの着用を想定した、もっともオーセンティックな素材はレザー。クラシックバックルならば申し分ないだろう。

 メタル製リンクブレスレットは、ややカジュアルでスポーティな部類に入る。ミラネーゼループならば通気性もよく、これからの梅雨や夏の汗ばむ時期には最適だろう。アクティビティアプリケーションを活用し、ランニング中も外したくないのならばスポーツバンド一択だろうが、ビジネスシーンのTPOからするとスーツには不向きだ。

 なお、ストラップ、バンド、ブレスレットーー、腕時計ベルトにはいくつも呼び名があって困惑の元だが、ストラップは布や革の平紐状のもの、バンドは帯状のもの、ブレスレットはケース本体に合わせてデザインされたメタルバンドと、ざっくりと覚えておくといい。

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