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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第189回

海外旅行で必須! USBメモリーサイズPC「m-Stick」を活用する技

2015年04月01日 10時00分更新

文● 柳谷智宣

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Windows 8.1を起動できるPCなのに、このサイズ!

 Windows搭載PCでもっともコンパクトな「MS-NH1」はUSBメモリー型で、重量は44gと驚きの軽さ。OSも32ビット版Windows 8.1 with Bingを採用する、ちゃんとしたパソコンだ。今回はUSBメモリーサイズでWindowsを起動できるポータブルPCを紹介する。

超小型PC「m-Stick」をセットアップする

 「m-Stickシリーズ MS-NH1」は2014年末にマウスコンピュータから発売された、スティック型のPCだ。本体は幅100×奥行き38×高さ9.8mm、重量は44gと大きめのUSBメモリーサイズというのが特徴。そのうえ、Windows 8.1 with Bing 32ビット版を搭載するPCなのだ。PCを持ち運べるメリットは大きい。HDMIで接続できるディスプレーさえあれば、自分が使いやすいようにカスタマイズしたPCをどこでも利用できるようになる。

「m-Stickシリーズ MS-NH1」。価格は32GBモデルが1万9800円、64GBモデルが2万5800円となる

 実家に帰省したり、海外旅行に行く際など、ノートPCを持っていくのが面倒な時にうってつけ。持ち運び中に壊してしまう心配もない。空港の荷物検査の時に電源を入れろと言われる手間も起きない。ネットカフェで仕事をする時も、誰が触るかわからないPCで大事な作業をするよりは、マイPCを使った方が安心だ。リビングの大画面テレビでPCを使いたいときにも重宝する。出先でプレゼンする際、PCを借りるのではなく、ディスプレーだけ借りればいいなら、ハードルが下がることもあるだろう。

 コンパクトサイズはまさに夢のようだが、気になるのが性能と使い勝手だろう。まずはスペックをチェック。CPUは4コアのAtom Z3735Fで、動作クロックは1.33GHz。メモリーは2GBで、ストレージは32GBと64GBの2モデルが用意されている。オーディオの入出力端子やUSB2.0、HDMI出力を搭載。外部ストレージとして利用できるmicroSDカードリーダーも備えている。無線LANはIEEE 802.11 b/g/nをサポートし、Bluetooth V4.0+LEにも準拠している。

 電源はACアダプター+USBで接続する。USBケーブルを使うとはいっても、マニュアルには通常のUSB端子に接続すると故障の原因になると書かれているので注意が必要だ。

 まずはセットアップしてみる。HDMIケーブルと電源ケーブルをつないだうえ、マウスを装着すれば完了だ。USB端子は1つのみなので、複数のデバイスを接続する際はUSBハブを利用することになる。Bluetooth対応のマウスやキーボードがあると便利だ。

「MS-NH1」はHDMI端子付きでこのサイズ

本体右側面には、電源ボタンと電源端子、USB2.0端子を備える

本体左側面にはmicroSDカードリーダーを搭載する

HDMI端子に直接装着しにくい時は延長ケーブルを利用する

電源はACアダプターから

あっけなくWindows 8.1が起動した

CPUはAtomながら使い勝手はまずまず

 CPUは4コアとは言え、組み込み機器向けのAtomなので、消費電力は小さいものの、その分処理性能は低い。PCとしてどのくらい使えるのか、いろいろと試してみた。まずは、ストレージの速度をチェック。読み込み163.8MB/秒、書き込み82.12MB/秒と、フラッシュメモリーならではのスピードを叩き出した。

 次に、Windowsのエクスペリエンスインデックスを計測してみる。Windows 8.1のコントロールパネルからは削除された機能だが、内部的にはまだ「Winsat」コマンドが残っている。コマンドプロンプトから実行し、計測結果のファイルを開いたところ、基本スコアは3.9だった。CPUは4.9.メモリーは5.5となかなかのスコア。ストレージのスコアは6.8とさすがフラッシュメモリーというところ。グラフィックスコアが3.9~4.0というのが想像以上に高い。

 PCの性能を総合的に計測できるベンチマークソフト「PCMark 8」の計測結果は1002とCeleronベースのノートPCと比べても半分といったところ。

 今回は64GBモデルで作業しているので、Cドライブの容量は52.1GBだった。いくつかソフトをインストールしているが、40GB近い空き容量がある。とは言え、OneDriveやiCloud Driveと同期するとあっという間に足りなくなる。同期するのは必要最低限のフォルダーにして、使うたびにクラウドからダウンロードするようにするといいだろう。どうしても内部ストレージが必要な時はmicroSDカードを利用しよう。本体のスロットに装着することで、アクセスできるようになる。

 実際にいろいろと使ってみたが、確かにアプリの起動やウェブページの表示には一瞬反応が遅れる感じはある。とは言え、手持ち無沙汰になるほど待たされるわけではない。携帯端末で動いているWindowsと言うことを考えれば、十分すぎるスピードと感じた。

「CrystalDiskMark」でストレージ性能をチェック

「Winsat」コマンドでエクスペリエンススコアを計測

計測結果のファイルを開いたところ

「PCMark 8」の計測結果

64GBモデルで、Cドライブの容量は52.1GB

microSDカードを装着したところDドライブとして利用できるようになった

ウェブページの表示は問題なし。広告などの表示がワンテンポ遅れることもある

フリーのオフィスアプリ「OpenOffice」の起動には5秒かかった

次ページでは、「モバイルバッテリーからも起動できる!?

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