デジカメ写真のデータの記録フォーマットはRAWがオススメ！
dynbaook TB97/PGでLightroomを使用してRAW現像を堪能した
ところで、デジカメで写真を撮るときに記録フォーマットを気にしている人はどれくらいいるのだろうか？ 撮ってすぐにSNSに投稿するような場合には、画質よりも写っている内容やスピードが重要なので、基本的にはそのまま使えるJPEGで撮る人がほとんどだろう。しかし、できるだけ高画質に綺麗に記録しておきたい場合でもJPEGで撮影しているだろうか？ ここは一つ、RAWでの記録をオススメしたい。
そもそもRAWデータとは何かといえば、極端に言えば閲覧できる状態の写真になっていないデータだ。基本的には撮像素子が受けた情報と撮影時のカメラの設定をそのまま記録した状態で、基本的には閲覧するためには一手間かかる状態だ。といっても最近のOS XやWindowsでは、メモリーカードからRAWデータをコピーするとアイコンが自動的にサムネイルになったり、ダブルクリックすると標準アプリでそのまま見えてしまうので、普通に画像ファイルとして認識している人も多のではないだろうか。それは、OSやアプリが裏で一生懸命作業してリアルタイムに近い感覚で表示を行っているからだ。
一般的にはRAWから見える写真にするには専用の現像ソフトが必要だ。デジカメを購入すると大抵の場合に付属しているか、もしくはメーカーのHPからダウンロードすることでPCにインストールして使用することになる。メーカー製のRAW現像ソフトは、メーカー専用になっていて他のメーカーのデジカメで撮影したRAWデータは現像することはできない。オンラインウェアでは、複数のメーカーに対応したRAW現像可能なアプリもあるが、私のお気に入りはLightroomだ。
快適にRAW現像できる
最初にJPEGとRAWとの違いは何かをちょっとおさらいしておこう。JPEGデータは一般的に使用されている画像フォーマットだ。デジカメでも通常の撮影時に使うし、ウェブで見る画像も基本的にはJPEGデータが多い。なぜこんなに良く使われているのかといえば、解像度に比べてファイルサイズを小さくできるからだ。
JPEGは保存時に画質の設定が可能なので、一概には言えないが、参考までに「EOS-M2」で撮影したJPEG（FINE設定）のファイルが約4MBだが、同時記録したRAWデータが約20MBほどある。このRAWデータを8bitのPSDデータに変換すると、約50MBのファイルになる。同じ写真だがJPEGとPSDで10倍以上の容量の差がでてくる。同じ写真でなぜこんなに差が出るかといえば、JPEGのデータは圧縮されているからだ。しかも非可逆圧縮で元に戻せない圧縮方式を採用している。実際にJPEGとRAWを並べたSSで確認してみよう。
同じ写真の部分拡大を並べた。JPEGは発色が高くなりすぎて色が飽和してしまい、グラデーションの再現性が落ちてしまっている。PSDのほうが彩度は若干低いが、グラデーションの再現性は高い。
JPEGはエッジ強調が強く、花びらの質感が損なわれてしまっている。PSDのほうはシャープネスは低いがしっかりと質感が出ている。
実ファイルを見てもらってもよいがSSでも十分に差がでているのはわかる。ようはJPEGはファイルサイズを小さくするために、気にならない程度に情報を間引いてしまっている。
実際のJPEGとRAWを見比べても差がわからないとか、気にならないというならしょうがないが、せっかくきれいに写真を撮れる道具を持っているなら、できるだけ綺麗に保存しておこうではないか。
左は撮ったままのJPEG、真ん中はストレートに現像したPSD形式、右は補正を加えてから出力したPSDだ。
撮ったままのJPEGは拡大してみると、細部の再現性がかなり甘く精細さに欠ける。ストレート現像のPSDでは精細さが残っているがシャープネスが甘い。またメリハリに欠ける点もあるのでこの状態では一概にPSDのほうが良いとはいいきれない。しかし、しっかり補正を加えてから出力したPSDでは適度にコントラストがあり、メリハリが出る。またシャープネスも十分ありながらも精細さも高い。このような処理を行って出力できるのがRAWデータの魅力だ。
JPEGファイルが非圧縮のPSDに比べて違うのは、精細さと発色だ。発色に至っては、微妙な色やグラデーションが簡略化されてしまうことがある。細部の再現性や色が非可逆圧縮されてしまっているので、後処理で元に戻せないのが一番手痛い。RAWで撮っておけば、出力時にJPEGを選ぶこともできる点も利点だ。
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