テクノロジーは前にしか進まないから、その速度に適応すべき
420gのBebop Droneなどは落ちてきてもダメージは知れているというように、そのようなところに今後ドローンを考えるときのポイントがあるわけではない。国家間の問題もあって、たとえば十分にコモディティ化しているので冷戦時の“核”のように抑止力にはならない。
その驚くべきペースに、企業も、国も、個人も適応していくことなしに、「我々の将来はない」と言ってもあながち大袈裟ではない。
DJI Phantom 2 Vision+で撮影したドローンならではの空撮映像:
これに似たことを、実は一度体験したことがある。今日のデジタル社会につながるマイコンが世の中に登場した1980年頃のことだ。
私が最初に買ったのはアップルの8ビット機「Apple IIc」で、同世代の業界人としてはやや遅い部類に入る。しかし、1980年頃に仕事で1億円はする「VAX-11/780」というコンピュータ(それでも当時画期的に低価格といわれたのだが)をパソコンのようにいじり倒していた立場からすると、“とんでもないヤバイものが現れた!”と感じたものだ。
そのパーソナルコンピューティングが、その後、世の中をどう変えたか? 経済学者の野口悠紀雄氏は“旧ソ連崩壊”の大きな理由と指摘している=私との共著『ゼネラルパーパス・テクノロジー』参照。
ドローンは、こうした大きなトレンドの変化を肌で感じさせてくれる上に、前に進むしかない“テクノロジーという人類がかかった病”を考えるいいチャンスになるとも思える。