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強力なセキュリティ機能を搭載した「Intralinks VIA」を提供開始

イントラリンクス、預け先データを閲覧不可できるドキュメント共有

2015年03月25日 14時30分更新

文● 谷崎朋子

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3月24日、イントラリンクスはクラウドベースのドキュメント共有ソリューション「Intralinks VIA」の提供開始を発表した。クラウド上に保存されたドキュメントを安全に共有できるほか、ダウンロードされたドキュメントに対する利用制限、共有者リストから外れた場合のダウンロード済みドキュメントに対するアクセスブロックなどが可能になる。

ダウンロード後もアクセス権限をはく奪することが可能

 Intralinks VIAは、プロジェクト間でのコンテンツ共有など一般的な使い方に最適な「Intralinks VIA Pro」と、より強力なセキュリティ機能を追加した「Intralinks VIA Elite」の2種類がある。いずれも基本的にはWeb経由で共有スペースにアクセスし、ローカルPCやファイルサーバなどからドラッグ&ドロップでドキュメントをアップロード/ダウンロードする。クライアントツールをインストールすれば、モバイルデバイスからも利用できる。

Intralinks VIA Proのログイン画面

Intralinks VIA Proの共有スペースの画面

 Intralinks VIA Proの場合、共有スペースにプロジェクトを作成し、メンバーを登録して共有開始する。メンバーへの招待は、メールアドレスで行なう。招待画面でアドレスを入力し、閲覧者・編集者・オーナー(共有スペースの管理権限を持つ)を指定してから招待する。アップロードされたファイルは、マイクロソフトの「Office Online」に対応しているので、MS文書であればそのままダブルクリックして閲覧・編集できる。「Microsoft SharePoint」とのコネクターも提供されており、統合することも可能だ。

 ドキュメントには、閲覧や印刷、コピー、保存などの権限をプラグイン不要で付加できる(Intralinks IRM機能)。ダウンロード後も有効だ。権限の制御をアップロードされたドキュメントすべてに適用するよう、管理機能から自動設定することもできる。

 また、新バージョンから導入された「UNshare(アンシェア)」コンセプトにより、共有ドキュメントがダウンロードされたあとの削除も可能になった。「たとえば、共有スペース上のドキュメントをある共有メンバーがダウンロードし、そのメンバーが異動や退職などでメンバー登録を解除したとする。このとき、ドキュメントはメンバーの手元に残るが、そのドキュメントにはアクセスできなくなる」(イントラリンクス セールスエンジニアリングマネージャー 山元一史氏)。

イントラリンクス セールスエンジニアリングマネージャー 山元一史氏

預けたデータも顧客側で完全制御が可能

 ここまではよくある情報共有ソリューションだが、金融機関などデータの取り扱いに厳しい業界で実績を重ねてきた同社ならではの機能がある。それが、「カスタマーマネージドキー」と「分散コンテンツノード」だ。

 カスタマーマネージドキーは、ドキュメントの暗号化に使う暗号キーを顧客側で保持・管理できるオプションだ。暗号キーはイントラリンクスのデータセンター内にある専用デバイス内に格納され、顧客はその暗号キーに対して排他的なアクセス権限を持つことができる。

 「顧客は暗号キーの作成や廃棄を自由に実施できる。ポイントは、イントラリンクスがその暗号キーを使ってドキュメントにアクセスできないことだ。顧客の承諾がないかぎり、誰もドキュメントにアクセスできない」(イントラリンクス プロダクトマーケティング・ディレクター トッド・パートリッジ氏)。

イントラリンクス プロダクトマーケティング・ディレクター トッド・パートリッジ氏

 一方の分散コンテンツノードは、ドキュメントの保存先をイントラリンクスのデータセンターか、それとも自社側か指定できるオプションだ。さらに、データセンターはその所在地も選択できる。同オプションは、特にヨーロッパやシンガポールなど、個人情報の取り扱いに厳しい国でニーズが高い。たとえばヨーロッパでは、十分なデータ保護レベルに達していない他国にデータを移動することを禁止するEUデータ保護指令が制定されている。シンガポールでも、国外に個人情報を移動させることを原則禁止している。

 「分散コンテンツノードのオプションは、まだ提供していない。7月あたりに一部顧客でパイロット版を試用してもらう予定で、年末には正式提供できるよう進めている」(パートリッジ氏)。

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