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認証やログ監視など強化したマイナンバー専用PCとUTMを合わせて提供

キヤノンS&S、中小企業のマイナンバー対応セキュリティパック

2015年03月23日 13時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 キヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)は3月23日、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)で求められるセキュリティ対策をパッケージ化した、中小企業向けのセキュリティ対策ソリューションの提供を開始した。

 2016年1月からのマイナンバー制度運用開始に先駆けて、今年10月からは国民一人ひとりにマイナンバーが通知される。税や社会保険の手続きにおいて従業員個々人のマイナンバーを取り扱うため、規模を問わずあらゆる企業が同法の適用対象となり、「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)」に沿った安全管理措置などが義務づけられることになる。

 しかしながら、マイナンバー制度の具体的内容についての認知度がまだ低く、企業側の対応の遅れが懸念される。特に、ガイドラインで求められる「技術的安全管理措置」=セキュリティ対策については、情報システム専任者のいない中小企業を中心に、「具体的にどの程度のセキュリティ対策が必要なのか」の判断が難しい現状がある。

従来の個人情報保護法とは異なり、マイナンバー法ではすべての企業が適用対象となる。しかし、「技術的安全措置」で具体的にどのようなセキュリティ対策が必要なのか、判断が難しい(キヤノンS&S資料より)

 キヤノンS&Sでは今回、同社の中心顧客層である従業員数300名未満の中小企業を対象に、同ガイドラインに記載された対策手法に基づく2種類のセキュリティ対策ソリューションを提供開始した。

 「マイナンバーパック 安心PCプラン+」は、マイナンバーおよび特定個人情報を扱うアプリケーション向けにセットアップされたPCと、外部からの不正アクセスを防止するUTM「FortiGate」を、キヤノンS&Sからまとめて提供するサービス。給与システムなどの基幹アプリケーションを1台のPCで実行しているような、比較的小規模な企業に向いている。

キヤノンS&Sが提供開始した「マイナンバーパック 安心PCプラン+」

 オリジナルのマイナンバー取り扱い用PCは、基幹ソフトウェア向けに仕様設計されており、ハードディスクを二重化することで可用性を高めている。さらに、PCの操作ログを収集する「MylogStar」、指紋+指静脈による「指ハイブリッド認証システム」、データをバックアップする「ShadowProtect」を適用することで、特定個人情報の不正な持ち出しや操作が行われた場合は迅速にアラートを上げる。

ログ収集システムは、マイナンバー情報を含むデータのファイル書き出しや画面ショット取得、印刷などの操作が行われた際にアラートを上げるとともにレポートに記録する

 一方「マイナンバーパック 安心ネットワークプラン」は、特定個人情報を取り扱うPCだけでなく、社内ネットワークに接続されたPC全体にセキュリティを適用するサービス。顧客環境に合わせて「Active Directory」を設計し、操作ログ収集やデバイス制御を適用すると共に、セキュリティ強度の高いログイン環境を提供するとしている。

 価格(税抜)は、マイナンバーパック 安心PCプラン+が101万7800円(専用PC、FortiGate 60D、そのほかのソフトウェアのライセンス料金およびシステム構築料金を含む)、マイナンバーパック 安心ネットワークプランは個別見積もりとなっている。いずれも保守サービス料金は含まない。

 キヤノンS&Sでは、全国の営業支援専門チームにマイナンバーについての学習を実施するとともに、全国で顧客向けのマイナンバーセミナーを展開。販売目標として、マイナンバーパック 安心PCプラン+を500セット/年、マイナンバーパック 安心ネットワークプランを100セット/年としている。

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