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見た目もサウンドも上質で都会的、テクノロジーも詰まった注目機種

美しすぎるポータブル機、OPPO「HA-2」「PM-3」の上質さを体験する

2015年03月25日 09時00分更新

文● きゅう/ASCII.jp

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エッジのダイヤモンドカットが上質感をさらに演出する。

PM-3と組み合わせて聞く

 次にPM-3について見ていこう。一番の特徴は、やはり平面磁界駆動方式を採用したユニットになるだろう。

PM-3。写真はブラック。平らにして持ち運べる。

 一般的なダイナミック型ユニットは、御椀のように中央が少し凹んだ振動板を使い、その先に磁石など振動板を駆動するための機構が付いている。一方、平面磁界駆動型のユニットでは名前のとおり振動板が平面となり、その両面にアルミの電極が同心円状にエッチング(両面スパイラルコイル)されている。

左が平面磁界駆動型のユニット、右がダイナミック型のユニット。平面磁界駆動型は電極が同心円上にエッチングされており、磁界が振動板全体に広がっている。

 利点としては、平面全体が均一に動作するため、分割振動が少なく、位相が揃い、フラットな周波数特性が得やすいという点にある。ただし、構造上大型になったり、感度が低くなるといった課題があり、ポータブル機ではあまり採用されてこなかった。PM-3では、7層ポリマー振動板の両面にコイルを配置し、導体の量も2倍に増やすなどして、形成される磁界を強化。磁石もネオジウムマグネットとして、振動板全体をカバーできるようにした。さらに最新の解析技術で形状や配置も検討して、インピーダンス26Ωで最大102dB/mWとモバイル用途でも比較的鳴らしやすいレベルの性能としている。

平面磁界駆動型の特徴

少し誇張があるが、ダイナミック型では分割振動で、ユニット自体が変形してしまい特性に影響が出る可能性がある。

 OPPOは据え置き用途の従来機種「PM-1」「PM-2」でも平面磁界駆動方式を採用してきたが、PM-3ではその魅力をポータブル用途でより手軽に体験できる製品に仕上がっている。

質感の高いデニム製ケースの中に、ケーブルをはじめとした付属品を入れて持ち運べる。

 またHA-2との組み合わせという面では、4極3.5mmピンケーブルの利用で、左右チャンネルのGNDを分けられる点が挙げられる。HA-2は通常の3極タイプのケーブルも利用できるが、内部の設計としては、アンプ回路からジャックまで左右チャンネルのGNDを独立した設計としており、4極ケーブルを使用することで、片側のチャンネルのGNDの揺らぎに影響を受けない(左右の分離が明確になる)より高音質の再生が可能になる。

ケーブルは着脱式で片出しタイプ。3.5mmピンジャックとなっている。

 この効果はてきめん。機種によって端子がバラバラなのがデメリットではあるのだが、もちろんPM-3との組み合わせであれば相性を含めて最適な再生が得られると想像できる。PM-3はリケーブルにも対応するので、将来的にはケーブル交換でよりマニアックに音質を追求できる可能性もあるだろう。

情報量を損なわず、温度感のある艶やかな再生

 実際に装着して再生してみる。まずイヤーパッドが柔らかでとても装着感がいい。本体も比較的軽く、長時間のリスニングでも負担にならなそうだ。

 音質に関しては情報量の高さは持ちつつも、デジタル音源にありがちな音ははっきりとしているが、すこしギスギスするといった雰囲気はない。ある意味アナログ的な滑らかで落ち着いていた音調だ。

 たとえばジャズの演奏や女性ボーカルなどを聴くと、温度感というかほのかな熱気のようなものが伝わってきて、一般的なハイレゾとかHi-Fiといった言葉で紹介されるような機器とは違った雰囲気のよさが伝わってくる。このあたりは、以前HA-1とさまざまなヘッドフォンをつないで試聴したときに感じた方向感も想起され、音作りに関してOPPOが一貫した考えを持っているのだなと思えてくる。

 HA-2とPM-3はデザインが醸し出す上質さとぴったりの“アーバンで雰囲気のある音楽体験”を提供してくれるコンビと言えそうだ。

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