見た目もサウンドも上質で都会的、テクノロジーも詰まった注目機種
美しすぎるポータブル機、OPPO「HA-2」「PM-3」の上質さを体験する
2015年03月25日 09時00分更新
機能も多彩、最高級DACを搭載し、DSD11.2MHzにも対応
さて、ポータブルアンプとして見たHA-2は、機能も多彩な製品だ。
まずは内蔵するDACから。ESS Technologyの「ESS9018K2M」(Mはモバイル向けを示す)。高性能・高音質という評価が高く、ハイエンド機で採用されることが多いESS製DACだが、本機でも11.2MHzのDSDや32bit/384kHzのPCMなど最新のフォーマットに対応している。
特に11.2MHzのDSDはe-onkyoが配信を始めたばかりで、今年普及が進みそうなフォーマットだ。まだiFI-Audioの「nano iDSD」製品など一部しか対応していないこともあり、最先端のフォーマットを体験できる点は大きな特徴となる。384kHzのPCM(DXD)についてもノルウェーの高音質レーベル2Lなどが以前から取り組んできた。ハードの制限で音源が選べない、という状況が生じない点はいい。
操作系はシンプルで分かりやすい。入出力端子はデジタル系(USB)が底部、アナログ系が上部、ゲイン調節やバスブーストの機能は側面に集められている。入力ソースは、底部のセレクターでABCのポジションに合わせて選択するが、ABCのどれにどの端子が対応するかは、シルク印刷で示され一目瞭然だ。音量と電源スイッチは上部のダイヤルで切り替える。電源オンの状態では緑のLEDが光る。
幅68×奥行き12×高さ157mm/重量175gの本体は、幅がiPhone 6の67mm、高さがiPhone 6 Plusの158.1mmに近い数字となっている。本体にはゴムバンドも付属しており、主流となりつつある、5インチ前後のスマートフォンと重ね合わせ、スマートに持ち歩ける。
付属品として3種類(iPhoneやiPadのLightning端子、Android機のMicro-USBに加えて、アナログ接続用の3.5mmピンケーブル)のショートケーブルが付属。カメラコネクションキットなどの追加なく、iPhone/iPadとデジタル接続できるので、買ってすぐ手軽に使い始められる。
iPhoneやAndroid機との接続では、DSD再生やハイレゾのPCM音源のデジタル出力に対応したオンキヨーの「HF Player」がおススメ。Android機でのハイレゾ出力はドライバーなどで課題が合ったが、本機であればその問題がほぼ解決する。
AB級動作電流増幅方式のアナログアンプを内蔵。ヘッドフォンアンプICはTIの「TPA6120」、オペアンプはマッチングを取った選別品で「OPA1602」と「OPA1662」となっている。後述するが、内部はノイズ耐性が高く低歪みの差動増幅回路としている。デジタル回路とアナログ回路の電源は分けており、干渉の悪影響を防いでいる。対応インピーダンスは16Ω~300Ωと広く、HighとLowのゲイン調整が可能。Highゲインでは最大300mW(16Ω)の出力に対応。LowゲインはIEM向けにチューニングされているという。
以上はポータブルアンプとしてみたHA-2の機能だが、それ以外の利便性も高く、30分で70%まで充電が完了する急速充電機能(ラピッドチャージ)や3000mAhの内蔵バッテリーをスマートフォンの充電用に使える(モバイルパワーバンク機能)なども持つ。また、パソコンのUSB DACとしても利用可能で、デスクトップ環境で手軽に高音質を手に入れたいと考えるユーザーにとってもメリットがあるだろう。