マイクロソフトは、CTE(チャイナ・テクノロジー・エコシステム、China Technology Ecosystem)と呼ばれる、中国および台湾のODMパートナーへの投資を加速している。
これは、2014年6月に台湾で開催されたコンピューター関連総合見本市「COMPUTEX TAIPEI」の会場で発表されたもので、CTEに参加するODMパートナーからは、昨年末時点で、すでに75機種以上が製品化され、市場投入されている。
では、CTEとは、どんな仕組みなのだろうか。
ひとことでいえば、Windowsデバイス普及に向けた戦略的に仕組みといえるものだ。
Windowsを搭載したタブレットおよびスマートフォンを、マイクロソフトとODMベンダーが直接契約して生産することで、より低価格のデバイスを市場投入することができる。
PC市場では9割以上のシェアを持つマイクロソフトだが、タブレット、スマートフォンを含むデジタルデバイスでは、わずか14%のシェア。この分野において巻き返しを図るための施策だといっていい。
Windowsのライセンス形態は、基本的には、マイクロソフトと、OEMベンダーと呼ばれるPCメーカーが直接契約するのが基本だ。
現在、Windowsのライセンス費用は、どのOEMベンダーに対しても一律だが、様々なマーケティング施策やサポート施策などを通じて、最終的には個別ベンダーとの契約になる仕組みだ。当然その際には数の論理が働き、年間出荷台数の多いOEMベンダーのほうが優遇されることになる。
たとえば、年間出荷台数が約6000万台となるレノボ、5500万台を出荷するヒューレット・パッカード、4000万台を超えるデルに対する支援策と、年間数100万台の出荷規模となる日本のPCメーカーに対する支援策は、量と質の両面から大きな差がつくのは明らかだ。
そうした中、2014年4月には、マイクロソフトの開発者向けイベント「Build」において、9型以下のディスプレイを持つデバイスに対するOSライセンスを無償化。タブレットやスマートフォンにおいて、低価格デバイスの投入が可能になったほか、ノートPCでも「Windows 8.1 with Bing」と呼ばれるWindows 8.1を搭載することでWindowsのライセンスコストを低減。数を背景にしないこれらの施策によって、多くのデバイスメーカーが、これまで以上に低価格での製品投入が可能になったという経緯がある。
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