このページの本文へ

IsilonとECSでビジネス価値を創出するデータ統合を実現

魚はすべて湖に!データレイク基盤を実現するEMC Isilon新モデル

2015年03月18日 13時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 EMCジャパンはデータ、アプリケーション、アナリスティックを統合した基盤である「データレイク基盤(Data Lake Foundation)」に関する発表会を開催した。発表会ではデータレイク基盤の構築をサポートするスケールアウトNAS「Isilon」の新製品も披露された。

異なるデータを統合するデータレイク基盤

 昨年の夏に発表されたデータレイク基盤の構想は、従来別々のストレージに格納されていた異なる種別のデータを単一のストレージ基盤に統合するというコンセプト。信頼性を重視するプラットフォーム2.0のアプリケーションを併用しながら、変化に迅速に対応するためのプラットフォーム3.0を構築し、両者を橋渡しするという同社のEMCフェデレーションの鍵となる基盤となる。

EMCジャパン ITエバンジェリスト CTOアンバサダー 笠原俊和氏

 EMCジャパン ITエバンジェリスト CTOアンバサダー 笠原俊和氏はデータレイク基盤を魚(Data)と場所(Lake)、道具(Method)に例える。従来は飼育する、食べる、観察する、すぐ買うという目的に応じて、魚も水槽、川、池、生け簀など異なる場所に放たれていたという。対象の魚が違うため、道具も異なる、穫るための道具も異なり、時間もかかっていた。「目的に応じて魚取りの計画を立てる必要がある。場所が異なるので、移動も必要になる」(笠原氏)とのことで、手間がかかっていた。

 これに対して、データレイクの構想では、魚をすべて同じ“湖”に放ち、目的の異なった魚釣りを効率的に行なおうというもの。異なるデータを統合することで、比較分類や組み合わせなど新しい発見も可能になる。データ置き場を統合し、さまざまな種類のデータから新しいビジネス価値を創出できるというのが、データレイク基盤の価値というわけだ。

場所と道具が異なっていた従来の魚釣り

同じ湖で魚が放たれたデータレイクの構想

 こうしたデータレイク基盤の要件を満たすのが、EMCのスケールアウトNAS「EMC Isilon」とオブジェクトストレージに対応する「EMC ECS(Elastic Cloud Storage)」の2つになる。ファイルベースのEMC Isilonは、HadoopのファイルシステムであるHDFSに対応しており、Hadoopベースのビッグデータ分析に威力を発揮する。一方のECSは地理的に分散された大容量のアナリスティックに最適だという。

最小構成で1PBからのHDシリーズを投入

 今回、こうしたデータ基盤の構築に最適なスケールアウトNASの製品ファミリーとして、「EMC Isilon HDシリーズ」を投入した。

 従来、EMC IsilonシリーズはIOPSを重視した「Sシリーズ」、スループット重視の「Xシリーズ」、容量重視の「NLシリーズ」などを展開してきた。今回投入されたHD400は、“ディープアーカイブ”を想定した容量重視モデルで、従来の容量重視モデルであるNLシリーズに比べても2.5倍の容量増加が可能にする。60ドライブ収容可能で、最小構成が1PB、クラスター容量で最大50PBまでをカバーする。

従来に比べて2.5倍の容量増大を実現したHD400シリーズ

 Isilonのソフトウェアである「OneFS」も最新版7.2をリリース。HDFS2.3/2.4を含むHadoopの最新バージョンをサポートするほか、新たにOpenStack SWIFT、商用ディストリビューションであるHortonWorksにも対応。Pivotal、Clouderaとあわせて多様なディストリビューションを同時に利用できるようになった。アイシロン事業本部 事業本部長 倉橋秀則氏は「メジャーなディストリビューションはすべてサポートした。お客様の用途に最適なディストリビューションを使えるようになった」とアピールする。

従来に比べて2.5倍の容量増大を実現したHD400シリーズ

 倉橋氏によると、Isilonビジネスはグローバルでも大きな伸びを示しており、対前年比で25%の伸び、顧客も5800以上に拡大しているという。倉橋氏は「Hadoopの共有ストレージとしてマーケットリーダーとして認識されている。日本もグローバルの倍の成長率で推移している」とアピールした。

■関連サイト

カテゴリートップへ