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最新パーツ性能チェック 第174回

4Kの描画負荷に対抗できる“野獣”「GeForce GTX TITAN X」

2015年03月18日 04時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

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 2015年3月18日未明、NVIDIAは「GPU Technology Conference 2015」においてGeForceの最新フラッグシップモデル「GeForce GTX TITAN X」(以下、TITAN Xと略)を発表した。

第2世代Maxwellをベースにしたエンスージアスト待望のフラッグシップモデル「GeForce GTX TITAN X」

 すでに発売済みのGeForce GTX 900シリーズと同様に、第2世代Maxwellアーキテクチャーを使って設計されたワットパフォーマンスの高いGPUとなっている。

 米国における価格は999ドルと、さすがフラッグシップを名乗るだけある製品だが、NVIDIAは“最高画質のゲームを4Kで楽しむためのGPU”とうたっている。今回は、運良く評価用のリファレンスカードを入手できたので、早速その実力の程をチェックしてみたい。

TITAN Xなら「Far Cry 4」はじめとする重量級ゲームでも4K&最高画質で30~40fps以上出せる、とうたっている

最強最速のTITAN Xは、まさにゲームをするための“獣(ビースト)”なのだ

回路規模はGTX980の1.5倍だが
TDPは250Wにとどまる

 TITAN Xのスペックを以下の表に示した。3072基のCUDAコアに384bitのメモリーバス、さらにビデオメモリーは12GBと超リッチな仕様になっている。

各ビデオカードの比較表
GPU GeForce GTX TITAN X GeForce GTX 980 GeForce GTX TITAN Black GeForce GTX TITAN
コードネーム GM200
(Maxwell)
GM204
(Maxwell)
GK110
(Kepler)
GK110
(Kepler)
製造プロセス 28nm 28nm 28nm 28nm
ストリーミング
プロセッサー数
3072基 2048基 2880基 2688基
コアクロック 1000MHz 1126MHz 889MHz 837MHz
ブーストクロック 1075MHz 1216MHz 980MHz 876MHz
テクスチャー
ユニット数
192基 128基 240基 224基
ROP数 96基 64基 48基 48基
メモリ転送レート(相当) 7GHz 7GHz 7GHz 6GHz
メモリータイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリーバス幅 384bit 256bit 384bit 384bit
メモリー搭載量 12GB 4GB 6GB 6GB
TDP 250W 165W 250W 250W
外部電源 8ピン+6ピン 6ピン×2 6ピン×2 6ピン×2

 GPUコアはGTX980の1.5倍、メモリーはさらにその上を2.5倍という超贅沢な仕様になっているが、それでもTDPは250W(8+6ピン)という常識的な仕様に収まっているのは、さすがワットパフォーマンス重視の第2世代Maxwellといったところだろう。

 GTX980よりもクロックはやや低いが、それでもKepler世代のTITAN Blackよりも高く設定されている。今回試したリファレンスカードでは、ゲームプレイ中の実測クロックは1189.7MHz。GTX900シリーズ同様オーバークロックがしやすいことも売りになっている。

リファレンスカードを「GPU-Z」でチェック。搭載メモリーの量にはただ驚くばかりだ

 以下はTITAN XとGTX980のブロック図だ。CUDAコア128個でSMMが構成され、SMM4基でGPC(Graphics Processing Cluster)……という基本的構造は既存のGTX900シリーズとまったく同じ。GPC1基ににつきメモリーコントローラー1基(64bit分)2次キャッシュ512KBという配分も変化はない。

GTX 980(左)とTITAN X(右)のブロック図。GPC2基+メモリーコントローラー2基分増えていることがわかる

 さて、これまでのTITANは“DPフルスピードモード”という設定を有効にすることで、通常よりも倍精度小数点演算性能を引き上げ、“安価なTesla”的な運用も可能なGPUだったが、TITAN XではこのDPフルスピードモードが削除されている。

 ゲームの描画では倍精度の浮動小数点演算を行なうメリットがないため、この機能を落として3D描画性能を上げるチューニングがされていた、というのが従来のTITANファミリーだったが、TITAN Xは最初からゲーム用として設計されたためか倍精度演算性能は考慮されていない。もしTITAN XをプチTeslaとして期待していたなら、TITAN Blackを探す方が得策だ。

TITAN BlackではNVIDIAコントロールパネル内にDPフルスピードモードを設定する「倍精度」の項目がある

TITAN Xには「倍精度」の項目が存在しない

→次のページヘ続く (発熱には注意が必要

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