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全天球撮影をしてVRコンテンツ製作に挑戦 第3回

全天球映像を動画に変換するのに必要なマシンスペックを検証

2015年03月19日 12時00分更新

文● 伊藤 真広 編集●北村/ASCII.jp

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 VRヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift」で楽しむための、実写VRコンテンツ制作の流れを前回まででひと通り紹介した。今回は、動画を効率よく作成するうえで重要な要素となるPCのスペックにスポットを当ててみよう。

マウスコンピューターのOcuFes監修PCは、Oculus Riftの交流イベントOcuFesのスタッフが監修した、VRに最適化されたPCなので、全天球動画の製作に最適

 PCでの動画編集は、ハイスペックなマシンスペックが要求されるが、長時間視聴することを想定していない全天球動画の編集には、それほどハイスペックなマシンは必要ない。

 ではロースペックのPCでも編集できるかというと、リコーの「THETA m15」のような単一のカメラで撮影したものであれば編集できるが、フルHDカメラで撮影した複数の動画を組み合わせるような全天球動画となるとそうはいかない。

 もちろん、ロースペックなPCでもできないことはないが、処理に非常に時間がかかってしまう。そこで、重要な要素の1つとなるビデオカードに注目。ビデオカードの性能の違いによって、全天球動画の書き出しにかかる時間に差が出るかを試してみた。

GeForce GTX 980の実売価格はもっとも安価なもので7万円前後。高いものでは10万円近い

GeForce GTX 960は、MSI製の「GTX 960 2GD5」を使用。実売価格は3万円前後となっている

 使用したのは、NVIDIAの最上位モデルGeForce GTX 980と、最新モデルのGeForce GTX 960。そして「Core i7-4790K」に内蔵されているグラフィック機能Intel HD Graphics 4600の3つのパターンで比較した。

 ちなみに今回使用するPCは、マウスコンピューター製のゲーミングPC「NEXTGEAR-NOTE i640PA3-SP」だ。OcuFes監修PCを使わなかったのは、ビデオカードを入れ替えた場合の、性能の違いを見るためだ。読者がこれを見てPCを購入するなら、ほぼ同じパーツ構成のOcuFes監修PCのほうをオススメする。

検証に使用するマシンは、マウスコンピューター製の「NEXTGEAR-NOTE i640PA3-SP」

「NEXTGEAR-NOTE i640PA3-SP」の主なスペック
CPU Intel「Core i7-4790K」(4GHz)
チップセット Z97 Express (ATX)
メモリー PC3-12800 8GB×2
ビデオカード GeForce GTX 980
GeForce GTX 960(別途単品を用意)
HDD 2TB SerialATAIII 7200rpm (6Gbps/ SATAIII接続)
電源ユニット 80PLUS BRONZE 700W
OS Windows 8.1 Update 64ビット

4つの動画ファイルの合成と
mp4ファイルの書き出しにかかる時間を計測

 全天球パノラマシステム「QBiC MS-1」4台を使って撮影した約10分のフルHD動画4つを、Kolorから発売されているパノラマ動画合成ソフト「Autopano Video」で合成し、1つの全天球動画として書き出す。この合成→書き出しの処理時間を、ビデオカードごとに計測した。

動画の合成に使用したのはKolor「Autopano Video」。撮影に使用した「QBiC MS-1」や「Go Pro」の設定がデフォルトで登録されており、モーションを検知して自動的に合成してくれる

 「Autopano Video Pro」において、解像度はインストール時のデフォルトである3832×1916ドット、フレームレートはSharpに設定。

 4つの動画の動きを検知して1つの動画に自動で合成するためのキーポイントを記録したプロジェクトを事前に作成しておき、ワンクリックで合成と書き出しが実行できる状態にして検証している。

映像の書き出しは「Autopano Video Pro」のデフォルト設定で実施した

→次のページヘ続く (「Autopano Video」の処理時間を実測!

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