マウスコンピューターはMobile World Congress 2015の場で、開発意向を明らかにしていたWindows Phone端末の開発中のサンプルを披露した。Windows Phone 8.1を搭載し、画面サイズは5型。製品の発売予定などは未定だが、法人市場も狙うミッドレンジ機種になりそうだ。
5型HD液晶搭載機のサンプルが披露も
製品版は正式発表をお楽しみに
今回メディア向けに披露された試作機は正式なものではなく、開発中のサンプルとなる。OSはWindows Phone 8.1 Updateを採用。「エンジニアモード」で動いており、Windows Storeなど動かないアプリがある。
画面のサイズは5型で、端末上の情報をみると解像度は720×1280ドット。CPUはQualcomm MS8916(Snapdragon 410)クアッドコア、メモリーは1GB、ストレージは8GBなどの仕様となっていた。ネットワークはLTEに対応する。カメラはメインが8メガ、インがフロントが2メガ、バッテリー容量は2300mAhだった。
ただし、これらのスペックはまだ正式なものではない。マウスコンピューター製品企画部部長の平井健裕氏によると、あくまで開発中であり正式な製品は変更となる可能性があるとのこと。たとえば、ボタンの位置、見せてもらった試作機では、液晶の外にあるが、液晶の中に入れるか外にするかを今後決定するとのことだ。
ソフトウェア側でも、「Office」「Skype」などに加えてWindows Phone 8.1の目玉機能である「Cortana」も入っているが、Cortanaは現在日本語では使えない。「使えないものは削除し、使えるものについては設定を変更して出していく」と平井氏は基本方針を語った。
OSについては、Windows Phone 8.1 Updateとなる可能性が高い様子で、その場合「CPU的にはWindos 10対応のものを採用する予定で、できる限りアップデートできるようにしたい」と前向きの姿勢。これらの詳細を含めて、実際の仕様については、正式発表をあらためて期待したい。
なぜスマートフォンなのか、なぜWindows Phoneなのか
平井氏の話からは、同社のターゲットユーザーや製品戦略を考えたときにフィットするのがWindows Phoneであるということがうかがえた。
ご存じのようにマウスコンピューターはPCメーカーであり、2014年にWindowsタブレットに拡大したところだ。「スマートフォンはその延長となる」とする。当然、PCと組み合わせて利用することを想定しており、そこで親和性が高いのがWindows Phoneということになる。「ターゲットは弊社のPCを利用するユーザー。ミッドレンジのボリュームゾーンを狙う」と語る。
ターゲットユーザーのもう一つの属性が法人ユーザーだ。その場合、「Windows PhoneはOfficeが入っていることが最大の特徴。AndroidやiOSでもOfficeは動くが、Windows Phoneは親和性が高い」のだ。このような事情から、今後もWindows Phoneについては新機種開発に前向きだが、Androidについては「現時点では考えていない」とした。
そのため、UIの問題はそれほど大きな懸念ではないようだ。タップが中心のiOSやAndroidに対し、タイルインターフェイスを用いるWindows Phoneはスワイプが多い。ユーザーが受け入れるかどうか、懸念がないわけではないが、「PCからタブレットに、そしてスマートフォンと拡大することになり、タブレットとある程度親和性のあるインターフェイスであれば、認識いただけるのではないかと思っている」と見る。
さらに法人ユーザーの場合、Windows Phoneスマートフォンはビジネス用で、そのユーザーがプライベートで使う端末はiPhoneという形になるかもしれないとも予想した。
(次ページでは、「そもそもなぜこのタイミングでリリースするのか」)
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