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医療機関や金融機関、官公庁の“高価値データ”向け、保管ファイルを定期チェック/修復

イメーションが長期保管ストレージ「NEXSAN ASSUREON」国内投入

2015年03月04日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 イメーションは3月3日、企業向けストレージ製品の新シリーズとして、ファイルアーカイブストレージ「NEXSAN ASSUREON 8(ネクサン アシュリオン)シリーズ」を4月1日より国内販売すると発表した。医療機関、金融機関、官公庁などで長期保管が欠かせない“高価値データ”を、データ破損などから保護する機能を備えた製品。

長期保管向けのファイルアーカイブストレージ、NEXSAN ASSUREON(大容量モデル)

 イメーションでは2013年にネクサンを買収し、企業向けストレージ製品ラインを展開している。これまでSANストレージの「NEXSAN Eシリーズ V」、ユニファイド(NAS/SAN)ストレージの「NEXSAN NSTシリーズ」を販売してきた(関連記事)

 今回新たに投入されるASSUREONは、ファイルの長期保存用アーカイブストレージ。アーカイブ可能容量3~6TB(2Uサイズ)のNXR、4~8TB(2U)のAXR、7~56TB(4U)のSmall SX/SXR、14~200TB(6U)のLarge SX/SXRの4モデルをラインアップしている。スケールアウト可能な設計となっており、1システムで最大5PBまで拡張が可能。また、いずれも1/10GbEインタフェースを備えており、ファイル単位の重複排除(デデュープ)でディスク使用量を最適化する。

 同製品は、医療機関や金融機関、公共機関、メディア企業などが保有する、長期間にわたり確実に保管しなければならない“高価値データ”をターゲットとしている。その保護のため、独自の保護技術を活用してファイルの可用性(破損しておらずアクセスできること)や完全性(改竄されていないこと)を「保証」する仕組みだ(詳しくは後述)。

NEXSAN ASSUREONの国内ターゲット市場。長期間、確実にファイルを保管する必要がある領域がターゲットだ

 米イメーションのビジネスデベロップメント NEXSANストレージソリューション担当エグゼクティブVPのグレッグ・パブマイヤー(Gregg Pugmire)氏は、こうした高価値データは「会社やビジネスの継続に決定的に重要であり、失ったら置き換えはほとんど不可能」だと説明する。「ASSUREONの最大の特徴は、自動的に保存ファイルの監査を行い、必要ならば自動修復する機能だ」(同氏)。

 希望小売価格はオープン。参考価格は、120TBのレプリケーションモデル(120TBモデルが2台)で33万ドルとなっている。

定期的に保存ファイルをチェック、破損や改竄を確実に防ぐ

 ASSUREONではまず、書き込まれたすべてのファイルについて、自動的にコピー(複製ファイル)を作成する。次に説明する2つの機能を通じてファイル破損や欠落、改竄などが見つかった場合には、このコピーを使って元のファイルに戻す。

 ファイルの可用性は、定期的に自動実行されるファイルチェックと修復により保証される。ASSUREONに書き込まれたすべてのファイルにはユニークなIDが割り振られているが、定期チェック時にそのIDが欠落している(つまりファイルが破損している)のが見つかれば、コピーから復元する。

 またファイルの完全性を保証するため、ファイル書き込み時には2種類の「指紋」(ハッシュ値)を取得する。定期的(最低でも90日ごと)に各ファイルの指紋の再生成/比較を行い、ファイル破損や改竄などを検知する。こちらもファイルをコピーから復元する仕組みは同じだ。

ファイルの可用性を保証する仕組み

ファイルの完全性を保証する仕組み

 なお、ファイルのコピーは遠隔拠点に設置されたASSUREONに対して書き込むことも可能だ。この場合は双方向のリモートレプリケーションとなる。

「サイレントデータ破壊」から保護する

 国内での展開について、イメーション日本法人 TSSビジネスユニット NEXSANビジネス カントリーマネジャーの東條徹氏は「ASSUREONを中心として、データ保護市場を席巻する」と語った。

 「データは知らないうちに壊れたり、なくなったりする。CERN(欧州原子核研究機構)が3週間にわたり、3000台のサーバーでRAIDを調査した結果、17%のストレージ、500のファイルが破損/破壊されていた」「RAIDやスナップショット、レプリケーションといった従来の保護方法では、高価値のデータの長期保管、保護が実現できない」(東條氏)

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