このページの本文へ

四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第141回

Nutubeの性能の良さが明らかに

若手エンジニア語る、真空管への思いとNutube試作品の仕様

2015年02月28日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

出力60Wで3kgしかないヘッドアンプ

―― ずいぶん低い電圧で動くんですね。アンプが20Vなのは、パワーアンプに電圧がいるからですか? 

ヘッドアンプについての仕様を説明してくれた三尾さん

三尾 それは最終的な調整で上げました。パワーアンプはバルブリアクターを使っています。

―― バルブリアクターというのは何ですか?

三尾 実際の真空管パワーアンプ、出力トランス、スピーカー、電源などで起こる挙動をトランジスタもしくはD級のアンプと小型の真空管で再現する方法です。

―― DSPではなく?

遠山 いえいえ、アナログ的に。真空管アンプはパワートランスを使って、ある程度のインピーダンスを持って音が鳴っているんですが、その状態を再現するための回路です。

三尾 VOXのValvetronixシリーズのようなデジタル系アンプなどのパワーアンプに使っている技術です※1。三枝が開発したものです。

※1 Valvetronixシリーズの他、VOX AC30VR、AC15VRにも搭載されている。型番のVRは"Valve Reactor"から取ったもの。

―― 三枝さんは色々やってらっしゃるんですね。

三枝 (にっこり)

三尾さんが設計したギター用のヘッドアンプ。スピーカーキャビネットに接続して使う。Nutubeを使ったプリアンプとNutubeを使ったバルブリアクター回路によるパワーアンプで構成

―― この大きさで60Wも出るんですよね。

三尾 よくご存知ですね。

―― NAMMショーのプレゼンで森川さんがそうおっしゃっていました。

三尾 そうなんです、これは60W出ます。もっと出そうと思えば出せます。

―― あと重さも3kgしかないとか。

三尾 持ってみますか?

―― おおっ、ほんとに軽いですねこれ。片手で楽に持てるし※2

※2 50Wクラスのヘッドアンプの重さは通常12kgから17kg程度で片手で持つのは苦行。

(次ページでは、「最終的にはどれくらい小さく、軽く作れるのか?」

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン