荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第395回

港区に新宿区……都会の路地裏で見かける猫たち

大都会でも猫が行き交う風景は見られる！

　最後にもう1枚。道路を中心に置いて撮ってみた。車がひっきりなしに行き来するメインの通りから1本はずれればこんな道が残ってるのである。

新宿区にて。道路に出てきた猫。車はあまり通らないけど人通りが多い道なのでありました（2015年2月 オリンパス E-M1）

　そんな感じで、以前撮った中から、この連載でまだ使ってない＆公園でも神社仏閣でもない場所で出会った東京猫の写真を引っ張り出してみた。

　港区の幹線道路から1本入った道。民家の前で2匹の猫が門番をするかのように座ってた。

港区にて。再開発地域でこんな風に猫を見かけるとは思わなかった。再開発反対運動をしてるわけではないが、まあ賛成ではないだろう。ここから引っ越さなきゃならないからね（2014年4月 オリンパス E-M1）

　2014年の秋、たまたま近くに用があったので、あのときの猫はいるかな、と立ち寄ってみると……猫はいない。いやそれどころか、この猫が守っていた（かに見える）家自体がない。もう全部更地で工事中。

　ああ、再開発の波に呑まれてしまったのね。そういえば、この写真でも隣はもう更地になっていたものなあ。

　きっとこのあたりの土地をまとめて大きなビルができるんだろう。猫たちは引っ越していった家主に連れて行ってもらえただろうか。気になっております。

　お次も幹線道路沿いで偶然出会った猫。首輪をしてるから近所で飼われているのだ。

　オフィスビルの入口のとこにちょこんと座ってた。土曜日だからオフィスも休みで、猫もお散歩しやすいのだろう。

品川区にて。このときは驚いた。とても猫がいるような場所には見えなかったもの。いそうにないとこにいる猫、というのもまたよし（2014年4月 オリンパス E-M1）

　お次も品川区で出会った猫。いや出会ったというかなんというか。

　某社で用事を済ませたあと、時間があったのでぶらぶらと古い道を歩いてたら雨が降ってきたので、散歩を中止して最寄り駅へ歩こうと足を速めたときである。

　一緒に歩いてた友達が、古い昭和の名残りただよう商店街の昭和の名残ただようクリーニング屋さんの前で突然立ち止まって中を見てる。猫だ。

品川区にて。ガラス越しだからちょっとモヤッとしてるけど、おとなしく座っておりました。いや、クリーニング屋だからおとなしくしてないとまずいんだけどね（2014年8月 オリンパス Stylus 1）

　雨模様の外を出たそうな顔をして見ながら、店の中にちょこんと座ってる。後ろにクリーニングが終わってつつまれた服や毛布が積まれてる。

　どう見ても猫が爪を立てたらまずいものであり、なおかつ猫が爪を立てたがるようなものばかりなわけで、おそらくきちんとしつけられてる上にマメに爪を切られてるんだろうなあ、と想像する。

　ここ10年くらい（か？）で猫は室内飼い、が基本となってきてるので、飼い猫が外を自由に散歩してるなんて古い家が残ってる古くからの住宅街くらいでしか見られないんだけれども、多少の猫が自由に動き回れるくらいの隙間が残ってる街がよいなあといつも思うのであります。

筆者紹介─荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい！』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』（ソフトバンク新書）、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』（玄光社MOOK）。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/