日本マイクロソフトとWindows Phoneビジネス
一方で、今回のWindows Phoneの投入が、日本マイクロソフトにおけるWindows Phoneビジネスの本格スタートと捉えるのは早計だ。
もちろん、今回のマウスコンピューターのWindows Phone搭載デバイスの開発意向表明に関しては、日本マイクロソフトのOEM統括本部が支援体制を敷き、日本マイクロソフト自身もWindows Phoneが国内市場に投入されることを歓迎している点、Windows Phoneにおいても、OEMベンダーを支援する姿勢は変わらない点を表明している。
しかし、日本マイクロソフト自らがWindows Phoneビジネスをドライブするような施策は、現時点では何も立案されていない。
そして、日本マイクロソフトは、「Windows Phoneに関しては、引き続き準備を進めている」という、これまでのコメントを変化させていない。
実際、日本マイクロソフトは、2015年6月に終了する2015年度において、Windows Phoneに関する売上げ予算の設定はゼロであり、プロモーション予算もまったく計上されていない。ちょうど2月に終了した米本社で行なわれた半期の中間報告会であるミッドイヤーレビューにおいても、日本マイクロソフトに対しては、Windows Phoneに関する新たな予算計上は行われていない状況だ。
つまり、日本マイクロソフト全社をあげて、Windows Phone事業を展開する段階にはないといえる。
マウスコンピューターのWindows Phoneは、
どれだけ市場の関心を集められるか
とはいえ、今回のマウスコンピューターのWindows Phoneの開発意向表明によって、再び、Windows Phoneへの関心が高まり、それを手に入れることができる環境が整う可能性が出てきたのは明らかだ。
日本マイクロソフトがWindows Phoneの事業を本格化させるのは、早くとも新年度が始まる2015年7月以降。そして、可能性としてはWindows 10のリリース以降が有力だ。
それまでに、マウスコンピューターのWindows Phoneが、どれだけ市場の関心を集められるのか。いずれにしろ、日本マイクロソフトにとってみれば、本格展開前の話題づくりとしても歓迎すべき出来事だろう。
マウスコンピューターの積極的な姿勢が、国内におけるWindows Phoneの広がりに向けた号砲となることを期待したい。
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