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GoogleがSoftcardを取得し、Apple Pay包囲網を米主要4キャリアと

2015年02月24日 15時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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 GoogleとSoftcardは23日、GoogleがSoftcardの技術を取得することで合意したと発表した。

 アメリカのモバイル決済の流れを振り返ると、Verizon WirelessらSprintを除く、主要キャリアによって結成されたのがSoftcard(当時の名称はISIS)で、Googleが「Google Wallet」でSprintと組んだ。つまり、最終的には「Apple Pay」対抗で4キャリアが結集した形となった。なお、この分野ではSamsungが先週、LoopPay買収を発表している。

Apple Pay対抗でGoogleと米主要キャリア主導のベンチャーがタッグを組むことを発表

Google Walletが米主要キャリア主導のSoftcardとタッグ
Apple Payに本格対抗か!?

 Softcardは2010年に米国最大のキャリアVerizon、それにAT&T Mobility、T-Mobile USAの3キャリアの出資によって誕生したモバイル決済のベンチャーだ。当時NFCを用いたモバイル決済の機運が高まりつつあり、2011年にはGoogleがGoogle Walletとしてサービスを開始した。Googleはこのとき、Softcardに参加していないSprintと組んでいる。

 一方でSoftcardのサービス開始は遅れ、Google Walletがサンフランシスコなど一部でスタートしてから1年後の2012年秋に、ようやくオースティンとソルトレークシティでソフトローンチ。その1年後に全米ローンチとなった。この間、Googleとの関係は対立のままで、Verizonなどは安全性を理由にGoogle Walletを遮断するなどの動きも報じられていた。

 Softcardは利用者数などは公開していないが、Google Walletの利用が進まないことを受けてか、設立時の”NFCで支払う”から、ロイヤリティーカードやクーポンの管理などにもサービスの位置付けを拡大している。なお、Softcardは設立時にISISという名称だったが、2014年7月にSoftcardに社名を変更している。

 Googleはこの取引のもと、Softcardの技術と知的所有権などを取得するが、金額などは公開していない。Softcard側は、「当面はこれまで通りSoftcardのアプリを利用して決済ができる」としているが、数週間以内に今後の計画について発表するとしている。

 Googleによると、今後取得した技術を自社のGoogle Walletに統合し、SoftcardキャリアだったVerizon、AT&T、T-Mobile USAはGoogle Walletを対応端末(Android 4.4以降のスマートフォン)にバンドルするとのこと。

 「より多くのAndroidユーザーが(Google Walletの)”タップして支払う”を利用できるようになる」とGoogleは説明している。米政府も対応するなど立ち上がりが好調なApple Payに対する包囲網となるかが注目される。

 なお、モバイル決済では同じAndroidスマートフォンを提供するSamsungも動いている。同社は先に、モバイル決済ベンチャーLoopPay買収を発表、来週にも発表が見込まれる次期フラッグシップ「GALAXY S6」にLoopPay技術がバンドルされるという憶測もある。


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