円安直撃! UPSの交換用バッテリーもついに値上げ
2014年後半からの円安傾向によって輸入品が軒並み高騰している。パソコンやガジェットの値上げが続き、頭を悩ませている人も多いのではないだろうか? 価格高騰の波は当然パーツ類にも波及しており、この3月中には意外なモノが値上がりするという。それっていったい……?
答えは「鉛蓄電池を使ったバッテリー」だ。UPS(無停電電源装置)の交換用バッテリーも例外ではなく、定番の1つであるシュナイダーエレクトリック製UPSの交換用バッテリーは値上げを余儀なくされるという(本体価格は変わらず)。
2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う大規模な停電、そしてその後の計画停電を機に、電気機器の破損を恐れてUPSを購入した人も少なくないだろう。特に、パソコンやHDDレコーダー、家庭用ゲーム機などを始終ブン回しているASCII.jp読者にとっては、案外身近な製品だと思われる。
ただし、『まあ、UPSなんてそうそう壊れるものでもないし、ボクに値上げは無関係でしょ。早めに買っておいてよかった(笑)』などとほくそ笑んでいる人は要注意。そんなあなたこそ、UPSの交換用バッテリーを速攻でポチらねばならない人なのである!
じつはUPS用バッテリーの寿命は2~5年
震災を機に買った人は買い換え時期だ!
というのも、UPS用バッテリーの寿命は2~5年と言われているからだ。仮に2011年3月、震災後すぐにUPSを買ったとすれば、この2015年3月で丸4年が経過したことになる。
つまり、震災を機にUPSを購入しているのなら、すでにバッテリーは寿命を迎えているか、寿命というほどでなくても劣化している可能性が少なくないということだ。
今さら言うまでもないことだが、UPSは突然発生する停電を内蔵のバッテリーで耐え抜き、接続機器を正常にシャットダウンしたり、ブレーカー復帰までの時間を稼いだりするためのものだ。イザ停電!となったときに肝心のバッテリーがヘタっていては何の意味もない。
それどころか、寿命が尽きたバッテリーは、スペック通りの性能を発揮しないだけでなく、バッテリー内部で不具合が起こることで、発煙や火災などの原因となる場合すらあるという。
しかも目安として示されている「バッテリーの寿命は2~5年!」という数値は、UPSを気温25度で使用した際のもの。夏は40度に迫らんとする高温多湿の日本においては少々甘めと言わざるを得ない。
そしてここ数年話題になっている、毎夏押し寄せる“ゲリラ豪雨”も脅威の1つだ。落雷によるサージは、パソコンからレコーダー、ネットの回線終端装置まで、コンセントをつないでいるすべての機器に破損をもたらす危険性がある。
自宅で業務をこなす人はもちろんだが、趣味に力を注ぎまくっている人にとっても、HDDのデータ破損は悪夢でしかない(当然だがSSDもサージその他の影響を受ける)。また落雷によって起こるとされる約4000分の1秒という瞬時停電(通称:瞬電)が、HDDレコーダーの予約をパーにすることもある。
我々の仕事や楽しみを狙う敵は手強いのだ。そんな強敵を前に、寿命の怪しいUPSでは心もとないだろう。