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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」第140回

最初は半信半疑、でも原理を信じて作った

Nutube開発者はなぜ真空管造りに蛍光表示管を選んだのか

2015年02月28日 12時00分更新

文● 四本淑三

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最初の三極管の発明者は電子楽器を作っていた

―― Nutubeというネーミングですが、真空管とトランジスタが入れ替わる時期に登場したニュービスタ管の綴りが「Nuvistor」でした。Nutubeはそれに引っ掛けていたりしますか?

遠山 引っ掛けていないです。"6P1"という型番も深い意味はなく、第1世代、第2世代と何度も何度も試作しているうちに、ついに第6世代まで来て、その1個目のサンプルが一番良かったからなんです。

三枝 そういえば、三極管を発明したド・フォレスト※2という方がいらっしゃるんですけど、彼はその真空管にオーディオン(Audion)という名前を付けているんですよ。オーディオ(Audio)とイオン(Ion)を合わせたようです。

※2 Lee De Forest。アメリカの発明家で、1906年に最初の三極管を発明した。映画フィルムに音を記録する「フォノフィルム」の発明でも知られる。

―― いいネーミングじゃないですか。

三枝 そのオーディオンの構造なんですけど、ここに熱いもの(フィラメント)があって、網焼きの網(グリッド)みたいなものを挟んだ、向こう側に板(プレート)があるんですよ。Nutubeと同じように。

ド・フォレストが試作した最初の三極管(出典wikipedia)

―― 今のようなグリッドとプレートがフィラメントを囲う円筒形じゃなくて、平べったいんですね。Nutubeでド・フォレストの頃の形に戻ったと。

三枝 そうですね、位置関係はそっくりです。あの方がオーディオンで最初に作ったのはラジオなんですけど、真空管が発振するということも見つけたんですね。それで何を考えたかというと電子楽器なんですよ。その特許を1915年に出しているんです。それには「これにピアノの鍵盤みたいなものを付けたら、鍵盤楽器になる」って書いてあるんですよ。テルミンが最初の電子楽器と言われていますけど、そうじゃないんですね。

ド・フォレストの特許 「Electrical means for producing musical notes」。この技術で1915年に「Audion Piano」が造られた。テルミンの発明より4年ほど早い

―― じゃあ、三枝さんもNutubeでシンセサイザーを造るんですか。

三枝 ええ。

―― ホントですか!

三枝 いや、それは嘘ですけれども。

(爆笑)

(次回はNutubeで試作されたギタープリアンプを実際に操作してみます



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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