1月にアメリカで開催された説明会で、Windows 10の概要が公開されました。今回はこの説明会や過去の発表などと合わせて、Windows 10がどうなるのかを考察することにしましょう。
デスクトップもノートも
スマホもタブレットもWindows 10
まず、現在のWindows 8.1の後継となるのが、Windows 10です。さらにWindows Phone 8.1の後継になるのもWindows 10です。説明会では後者については「Windows 10 Phone and Tablet」と呼んでいました。なので、とりあえず、これを仮の名称としておきます。
つまり次のWindowsは、スマートフォンもタブレットもノートPCもデスクトップもみんなWindows 10なのです。最近の流行でいえば「すべてがW(indows)になる」というわけです(もっとも「Wの悲劇」という名作もあるので、この言い方がいいのかどうか……)。
単に名前を変えるだけならなんとでもできますが、それには理由があります。それを順を追って説明していきましょう。まず現在は、PCでWindows 8.1、スマートフォンはWindows Phone 8.1が使われています。また、バリエーションとしてライセンス料がゼロのWindows with Bingや、最近とんと話題にならないWindows RTがあります。また、PCやスマートフォン以外の分野向けの「Windows Embedded」というのもあります。
Windows、Windows Phone、Windows RTでは、俗にNTカーネルと呼ばれる同じカーネルが使われています。また、Windows Phone 8.0では、それ以前とは開発環境がかわり、Windows 8.0と同じ「C#」などでアプリケーションの開発ができるようになりました(図02#%W81%#)。
しかし現時点では、Windows PhoneとWindowsには大きな違いがあります。1つはAPIのセットに違いがあることです。Windows Phoneは、当初Windows CEをベースにしていて、通話や3GモデムなどのWindowsにはないハードウェアや機能を持っていたため、独自のAPIを持っていたのです。
このため、開発言語が同じでも、用意されているAPIの種類が違うために、アプリを開発するなら、Windows Phone用とWindows用を分けて行なう必要がありました。アプリの開発という面からみると、この2つは“別物”だったのです。
また、これとは別に解像度の違いという問題があります。一般にスマートフォンに比べてタブレット、あるいはノートPCやデスクトップPCの画面解像度は高く、アプリを作るときに、この解像度の違いを考慮する必要がありました。これは開発者側が対応する問題ですが、マイクロソフトが用意する画面部品などでも共通化するなどの対応が必要です。
しかし、昨年5月にUniversal Windows Appsが発表され、共通のアプリを作れるようになったと報じられました。
もっともこれは簡単に言えば、WindowsとWindows Phoneのアプリを開発するときに、共通部分を分離できるので、重複して開発しなくいいというものなのです。開発段階では共通部分と、Windows用/Windows Phone用とに分けて開発をすすめられます。ですが、これをストアに登録する場合には、それぞれのストア(WindowsストアとWindows Phoneストア)向けに別々に作業が必要です。以前は最初から別々だったものが、プログラムを書く段階までは共通化できるというものでした。
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