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初のUbuntuスマホはミッドレンジ スペイン・BQ「Aquaris E4.5」発売

2015年02月09日 16時15分更新

文● 末岡洋子

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 英Canonicalが2月6日、提携企業であるスペインBQから初のUbuntuスマートフォン「Aquaris E4.5 Ubuntu Edition」が発売となることを発表した。提供地域は欧州で、価格は169.99ユーロ(約2万3000円)。Canonicalは2013年からスマートフォン分野の進出を明らかにしており、当初の予定からは遅れたが約束どおりに製品化にこぎつけた形となった。

Ubuntu.comに端末の姿をチョイ見せ

 Aquaris E4.5 Ubuntu Editionは、BQが提供するミッドレンジ向けAndroidスマートフォン「Aquaris E4.5」のUbuntu版。4.5型qHD(540×960ドット)のIPS液晶、1.3GHz動作でクアッドコアのMediaTek製CPU、メモリー1GB、内蔵ストレージ8GBなど、Android版と同じスペックを持つ。

 カメラはメインがフルHD動画の撮影に対応した8メガピクセル、フロントが3メガピクセル。無線通信は2G/3Gをサポート、IEEE802.11b/g/nの無線LANやBluetooth 4.0も利用できる。本体サイズは67×137×9mm、重量123gでデュアルSIMをサポートする。色はAndroid版は白と黒の2色展開だが、Ubuntu Editionは黒のみ。価格はAndroid版(169.9ユーロ)とほぼ同じだ。

こちらは同じAquaris E4.5のAndroid版の外観

 Canonicalによると同Ubuntu Editionはフラッシュセールとして、期間限定でオンライン販売する予定。このセールは今後数週間内に行うとしており、具体的な日時とURLは今後1週間中にUbuntuとBQのTwitter、UbuntuのGoogle+、UbuntuのFacebookページ上で告知するとしている。

 これに加えて、スペイン、スウェーデン、ポルトガル、イギリスの4ヵ国でオペレーターがSIMをバンドルして提供する計画もあるという。オペレーターはamena.com(スペイン)、3 Sweden(スウェーデン)、Portugal Telecom (ポルトガル)、giffgaff(イギリス)の4社。

 スペインAmenaでマーケティングトップを務めるJesus Noguera氏は、スペインのスマートフォン市場が成長しており、「Ubuntuは自分たちの端末ラインに差別化を加えることができる」と採用の理由を明かしている。

 Ubuntuスマートフォンの特徴は、Ubuntuが開発したユーザーインターフェイスの「Scopes」である。エンターテインメント、動画、音楽、ニュースなどとカテゴリ別のScopesがあり、さまざまなソースやサービスから集めてコンテンツや情報を表示する。

 動画ならYouTube、Vimeoや自分が撮影した動画を集め、ホーム画面にすることができる。Ubuntuのエコシステム戦略の要となるもので、Ubuntuによると開発者はScopesを容易に作成でき、メーカーやオペレーターは差別化に利用できるという。

 Ubuntuがスマートフォンへの拡大を明らかにしたのは、2013年1月のこと。2014年の2月にはBQと中国Meizuとの提携を発表しており、同年の「Mobile World Congress」では2013年内の端末登場としていた。

 UbuntuのCEO、Jane Silber氏はまず端末を発売し、次にオペレーター戦略を進めると当時に語っていたが、ローンチが遅れた代わりに最初からオペレーターも参加してのローンチとなった。MeizuのUbuntuスマートフォンについては、現時点では発売時期など詳細は公開されていない。

 スマートフォン向けの新しいOSとしては、Ubuntuのほか、Mozillaの「Firefox OS」、Samsungが中心となって進めるオープンソースの「Tizen」などがある。Firefox OSやTizenがローエンド向けに展開しているのに対し、Ubuntuの169ユーロという価格はミッドレンジで他とは一線を画した格好となった。

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