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PCに超望遠デジカメ、スピーカー……今買うべき2万円台デジタル製品 第3回

人気爆発のBluetoothスピーカー、2万円台で買うならコレ!

2015年02月04日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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 今、2万円台で買えるイチオシ製品を紹介する本特集。今回はBluetoothスピーカーを取り上げる。

 前々回はPC、前回は超望遠デジカメと、比較的お買い得感の高いものをチョイスしてきたが、Bluetoothスピーカーで2万円台というのは安い印象ではない。

 むしろ、この価格帯はBluetoothスピーカーの人気モデルが集中する激戦区。ここで覇権を取ることはBluetoothスピーカー全体の売り上げも大きく左右するため、他社に負けない音のいいモデルを次々に投入している。

 つまり、価格以上の音の実力を備えたモデルが数多いということ。今回は、そんなコストパフォーマンスの高いBluetoothスピーカーから、筆者が厳選した3つのお勧めモデルを紹介しよう。

新コーデック「LDAC」に対応! よりパワフルな低音の
ソニー「SRS-X55」

ソニー「SRS-X55」

ソニー「SRS-X55」

 ソニーの「SRS-X55」(2月21日発売、実売予想価格2万7000円前後)は発表されたばかりの最新モデルである。

 外観は従来の「SRS-X5」と同様のシンプルなデザインで、幅221×奥行51×高さ118mm/約1.2kgというサイズと質量も同じ。見た目の変化はほとんどなく、並べて見ると見分けがつかないほどだ。

 そして、内蔵するスピーカーユニットも基本的に共通で、口径38mmのフルレンジユニット×2、58mmサブウーファー、2個のパッシブラジエーターとなっている。

上部にはNFC受信部と各種操作ボタンを装備する

上部にはNFC受信部と各種操作ボタンを装備する

背面にはオーディオ入力のほか、給電用のUSB端子も装備。ほかの機器への充電も行なえる

背面にはオーディオ入力のほか、給電用のUSB端子も装備。ほかの機器への充電も行なえる

 機能や装備としては、NFC対応、アナログ入力用のステレオミニ端子の装備、スマホなどへの給電ができるUSB端子などを装備。内蔵バッテリーへの充電は付属のACアダプターで行なう。このほか、マイクを内蔵しており、スマホとの組み合わせではハンズフリー通話が可能。このあたりも特に変化はない。

 何も変わっていないようだが、大きく変わった部分がある。それがアンプ部。実用最大出力は総合20Wから総合30Wへ大出力化。しかも、バッテリー駆動時の出力は大幅に拡大され、従来の最大8Wから最大20Wとなっている。

 これは、大きな特徴である力強い低音をバッテリー駆動時でもしっかりと楽しめるようにするため。バッテリー内蔵のアクティブスピーカーは、バッテリー駆動時のアンプ出力を抑えて連続使用時間を長くするようにしたモデルが多いが、モデルによってはACアダプターを外すと急に音量が下がって元気のない音になってしまうものがある。SRS-X55はその点をしっかり配慮しているというわけだ。

 それでいて、バッテリーでの連続使用時間は、従来機の約8時間から約10時間へと向上。アンプ出力を高めつつ、バッテリーでの使用時間も向上しているのだ。

 もうひとつの大きな特徴が、ソニーが開発したBluetooth用の新コーデック「LDAC」。最大990kbpsの転送レートでの伝送が可能で、Bluetoothの標準コーデックである「SBC」(328kbps、44.1kHz)の約3倍もの情報量を持っている。

LDAC対応プレーヤーとしては、2月14日発売のウォークマン最上位モデル「NW-ZX2」が一番最初のモデルとなる

LDAC対応プレーヤーとしては、2月14日発売のウォークマン最上位モデル「NW-ZX2」が一番最初のモデルとなる

 音声コーデックをLDACで聴くには、携帯プレーヤーもLDACに対応している必要がある。本製品発売時点で対応するのは、ウォークマン最上位モデル「NW-ZX2」のみ。しかし、ウォークマンAシリーズ(NW-A16/A17)も4月頃にアップデートでLDAC対応することが発表されているし、今後も対応機器は増えていくだろう。

引き締まった力強い低音とくっきりとした音が楽しめる!

 その音は、引き締まった低音のパワー感が特徴的。クラシックを聴いても低音楽器や打楽器の低音をしっかりと出すし、不要なダブつきがないので音階もきちんと描き分ける。多くの楽器が一斉に音を出す部分でもパワー感がしっかりとしていて大編成のオーケストラらしいスケール感がよく出る。

 一体型のスピーカーなので左右のユニットの間隔が狭く、左右の広がりはもう少し欲しいと感じるのがやや惜しい。しかし、ステレオ感を高める「SOUND」機能を使うと左右への音の広がりが少し向上する。好みに合わせて使用するといいだろう。

 中~高音域の再現は粒立ちのいいクリアーな再現で、ボーカル曲を聴くと声の抑揚やニュアンスの変化を丁寧に再現する。情報量は十分に豊かだが高域がきつくなるようなカリカリの音ではなく、しなやかな感触なので耳障りになることはない。

 SBCコーデックとLDACコーデックの音を聴き比べてみたが、肝心の低音がややモヤモヤとしていた部分が消え、解像感が高くなる。中高域も情報量が増えているのが明らかで、たくさんの音が入った曲を聴いても、ひとつひとつの音を丁寧に再現する。

 ダイナミックでパワフルな音だが、基本的な素性はHiFi調の質の高いまとまりとなっていて、過度な色づけをせずにその曲の持ち味をしっかりと出すものになっている。これは、LDACの豊富な情報量を活かすため、より正統的な音作りに変わっているのだろう。

 バッテリー動作でも音がひ弱になってしまうこともないし、大音量だけでなく小音量でも音が痩せることがなく、くっきりとした音で楽しめるので、深夜に音楽を聴くような場合でも使いやすい。LDACの音の良さを手軽に楽しむにはもう少し時間がかかるが、基本的な実力は高く、元気よく音楽を楽しめるだろう。

次ページへ続く、「ボーズ SoundLink Bluetooth Speaker III

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