企業のDevOps導入を支援する「Service Virtualization」「Release Automation」
CA、サービス仮想化とリリース自動化の2製品で最新版発表
2015年02月02日 06時00分更新
CA Technologiesは1月30日、業務アプリケーション開発におけるテストとリリースの品質を高める2製品の最新版「CA Service Virtualization 8.0.1」および「CA Release Automation 5.5」を発表した。国内企業におけるDevOpsの導入を促進する狙い。
CA Service Virtualization(旧称:CA LISA Service Virtualization)は、アプリケーションの結合テストや性能テスト(負荷テスト)を実行する際に、アプリが接続する外部システム/サービスの“ふるまい”(トラフィック)を仮想的に再現する「仮想サービス」を生成、提供する製品(関連記事)。外部システムに影響を与えず、十分な結合テストや負荷テストができるようになるため、テストの品質や効率を高めることができる。
新版のService Virtualization 8.0.1では、「シミュレーション機能」および「モバイルアプリケーションのテスト機能」が強化されている。
シミュレーション機能では、仮想サービスを作成する際、リクエスト/レスポンスのデータ形式が不明でも作成を可能にする「オパークデータプロセッシング(不明瞭データ処理)」技術が追加された。これは、リクエストと対応するレスポンスを記録し、通信パターンや相関関係からメッセージ構造を推察する特許技術。CAによれば、「99.6%以上」の精度で仮想サービスを作成できるという。
また、新たな(レスポンスが未定義の)リクエストを受けると、リクエストを本番環境に転送して新たなレスポンスを自動学習(仮想サービスを更新)する「学習モード」も追加されている。さらに、対応プロトコルも拡張(WADL/RAMLファイルからの生成、SWIFT)された。
モバイルアプリのテスト機能では、アプリのコードを解析し、ページやリンク、ジェスチャー、入力などの要素に分解して、テストケースを自動生成する「ボイジャー機能」が追加された。また、複数のデバイス/OSのテスト環境をローカルに構築できる「モバイル・テスト・ラボ」機能も新たに加わっている。
CA Release Automation(旧称:CA LISA Release Automation)は、アプリケーションごとにリリースまでのワークフローをGUIで定義し、開発/テスト/ステージング/本番の各環境に対してアプリケーション配布作業を自動化するためのツールだ(関連記事)。アプリケーション配布にかかわる品質の向上やスピード化、人的エラーの削減といったメリットがある。
新版のRelease Automation 5.5では、開発チーム内でワークフローやアクションを設計、共有できる「共有コンポーネント」機能、マネージャー向けに月間のリリース回数やエラー数などを俯瞰的にダッシュボード/レポート表示する機能が追加された。リリースプロセス全体の可視性も改善され、開発チームと運用チーム間の情報共有も強化されている。
また、構成管理ツール(Chef、Puppet、CFEngine)との連携を強化し、アプリケーションのプラットフォーム構築と配布を正確に実施することを可能にしている。
いずれも新バージョンは2月3日から提供を開始する。
「日本のDevOps導入はまだこれから」
CA DevOps担当ディレクターの渡辺隆氏は、同社が13カ国/1400名の企業要職者を対象に行ったDevOps導入に関するトレンド調査を引用しながら、日本市場におけるDevOps導入はまだ「これから」という認識を示した。
また渡辺氏は、DevOpsによる開発と運用のコラボレーション改善はあくまでも“手段”であり、本来の目的はアプリケーションの品質向上や、それを通じたモバイル対応、顧客体験向上などにあることを強調した。同調査でも、顧客の多くがそうした意識を持っていることが明らかになっている。