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2014Q4のスマホ市場はApple好調、Samsung不調 王座が揺らぐ

2015年01月30日 21時00分更新

文● 末岡洋子

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 スマートフォン市場におけるSamsungの王座が揺らぎつつある。1月29日に調査会社2社から発表された2014年第4四半期(2014年10~12月期)のデータでは、iOSとAndroidの2極体制のもとでAppleが出荷台数を伸ばし、Samsungに肉薄している。このままいくと、2015年はAppleが安定したトップとなる可能性は多いにありそうだ。

 1月29日、調査会社のIDCとStrategy Analyticsの2社が2014年第4四半期のスマートフォン市場調査結果を発表した。順位はIDCが1位Samsung、2位Apple、Strategy AnalyticsはSamsungとAppleの両方を1位としている。同社の調査でAppleが1位となったのは2011年第4四半期以来となる。3年前にSamsungがAppleを超えて以来、王座を保ってきた。

 順位が付いたIDCの調査でもSamsungは7510万台、Appleは7450万台を出荷し、それぞれシェア20.01%で1位、同19.85%で2位となった。前年同期比の成長率はSamsungが11%のマイナス、一方のAppleは46%のプラスという結果になっている。Strategy Analyticsのデータでは2社ともに出荷台数7450万台、シェア19.6%となっている。

 2つの調査から言えることは、シンプルにAppleの成長とSamsungの低迷だ。Appleの好調さは言うまでもなく9月に発表された、iPhone 6とiPhone 6 Plusの成功がある。2機種とも米国、中国、欧州などの主要市場で好調だったという。

 なかでもIDCは、成熟市場である米国に加えて、XiaomiやLenovoなど地元ベンダーが激しい価格競争を繰り広げている中国の両市場で成長したことを高く評価している。IDCはまたスマートフォンのASP(平均販売価格)が軒並み下がっているときに、逆にAppleは増加させた点も評価している。そして、「(Appleの)年末商戦の成功は予想されていたが、7450万台という出荷台数は予想をはるかに上回るものだ」「2015年中に、台数ベースでAppleがSamsungを超える可能性がある」としている。

 Samsungについては厳しい現状が指摘された。IDCは、Appleとの競合だけではなく、低価格のAndroidスマートフォンベンダーの人気によりAndroidスマートフォンの収益性が低くなっている点を指摘し、“複数の戦場での戦い”に直面しているとする。

 Samsungはすでにオペレーションや製品ポートフォリオを合理化しているが、「トップの座を維持するためには、収益が低いモデルを受け入れるかハイエンド戦略を再構築してAppleと戦うしかない」と分析している。Strategy Analyticsではより具体的に、ハイエンドではApple、ミッドレンジではHuawei、エントリーレベルではXiaomiなどと競合するとしており、成長維持のためにはBlackBerryなどの競合他社の買収を検討する必要があるだろう、とも記している。

 3位以下の順位を見ていくと、両調査ともに3位がLenovo、4位がHuaweiとなった。Motorolaを飲み込んだLenovoは前年同期比77.9%増でシェアは6.25%、Huaweiの成長率は同41.7%増でシェアは6.25%(IDC調べ)。

 Strategy Analyticsは4位までしか公表していないが、IDCでは5位にXiaomiが入っている。Xiaomiは前年同期比178.6%増という著しい成長率を記録して2.03%のシェアをとり、前四半期まで5位だったLGを圏外に追いやった格好だ。

 市場全体としては、第4四半期の出荷台数は前年同期比28.2%増、前四半期(2014年第3四半期)比11.9%増の3億7520万台。2014年通年では13億110万台となり前年比27.6%増となった(IDC調べ)。IDCでは、2014年の成長率は素晴らしいものだが、2013年と比較すると成長が鈍化しているとしており、2015年の成長率は15%前後と予想している。

 市場の傾向としては、成熟市場では買い替え需要に依存し、途上国市場でははじめてスマートフォンを購入するユーザーが牽引役すると分析している。全体としてフォーカスは低価格帯にシフトしており、「グローバルベンダーと地元ベンダーの両方に異なる動因をもたらしている」と記している。

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