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脱ストレージベンダーを狙うEMCジャパンが事業戦略説明会を開催

EMCが注力するプラットフォーム2.5は企業に変革を促すのか?

2015年01月29日 13時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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EMCジャパンは2015年度の事業戦略説明会を開催した。昨年末、代表取締役社長に就任した大塚俊彦氏は、「プラットフォーム2.5」という概念を用いて、既存のエンタープライズITから新プラットフォームへの移行を強力に推進していくと表明した。

プラットフォーム2の製品をより強化

 説明会で登壇したEMCジャパン 代表取締役社長の大塚俊彦氏は、2014年の製品やソリューションを振り返った。昨年はデータサービスプラットフォームという概念を盛り込んだVMAXの新モデル、汎用サーバーでのストレージ構築を可能にしたScaleIO、高速なオールフラッシュアレイのXtremIOなどを投入したと説明した。

EMCジャパン 代表取締役社長の大塚俊彦氏

 さらにクラウド分野での製品やソリューションも一層強化。クラウドを容易に構築できるElastic Cloud Storageやハイブリッドクラウド向けの支援ソリューションを追加したほか、Spaninng、CloudScaling、TwinStrata、Magneticsなどの新興ベンダーも積極的に買収した。

 2015年の方向としては、ここ数年推進してきた「第3のプラットフォーム(プラットフォーム3)」への移行をより強化。クラウドやビッグデータ、モバイル、ソーシャルを前提としたプラットフォーム3と既存のエンタープライズIT基盤である「プラットフォーム2」との間に、新たに「プラットフォーム2.5」の概念を導入し、より現実的な新プラットフォームへの移行を実現していくという。「現在、お客様が基幹システムでお使いになられているプラットフォーム2に、クラウドなどのプラットフォーム3の技術を可能な限り移植し、堅牢性やアジャイル、パフォーマンス、コスト効果を提供していく」(大塚氏)と説明する。

第3のプラットフォームへの移行プロセスに2.5が登場

連邦のゆるさはキープ!営業面は連携強化

 プラットフォーム2.5向けの製品では、まずはオールフラッシュアレイが挙げられる。同社のオールフラッシュアレイであるXtremIOは、グローバルですでに500万ドルの売上をたたき出しており、最速で成長したストレージになったとアピールする。国内のオールフラッシュアレイの市場も4年後には4倍になると見込まれて、この分野をより強化していく。また、Data Domainを中心としたバックアップアプライアンス、VBlockを中心とした統合型インフラ製品の分野で強みを持っているという。

高い成長率を実現したオールフラッシュアレイに注力

 プラットフォーム3向けの製品としては、スケールアウトNASのIsilonやSoftware Defined StorageのViPR、ECSなどのほか、統合型インフラ製品、さらにはPivotalやデータレイクなどのビッグデータ・PaaS関連製品・ソリューションがある。ここに関しては「第3のプラットフォームを支えるプレイヤーとして、EMC、VMware、Pivoltalフェデレーション(連邦)全体で推進していく」(大塚氏)とのことで、各社の特性を活かしたゆるい連合を維持しつつ、営業やソリューションの分野で密接な連携を進めていく。

プラットフォーム3向けの製品・ソリューションの強化

 大塚氏は、「社長就任以来、100社以上のお客様やパートナーとお会いしてきた。米EMCの幹部や社員とも、いろんな意見交換を進めてきた。こうしたコミュニケーションで生まれてきたRE:DEFINEとTRANSFORMATIONの強化を一層深めていきたい」とまとめた。

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