1月15日、小米(シャオミ)が中国で新製品発表会を行なった。
発表の目玉はファブレットの「小米Note」で、2299元(約4万3500円、16GBモデル)と2799元(約5万3000円、64GBモデル)の通常版と、3299元のハイエンドモデルを用意する。
スペックは、CPUにクアッドコアの「Snapdragon 801」(2.5GHz)、シャープ製パネルを採用した5.7型(1920×1080ドット)のディスプレー、3GBメモリーという構成で、FD-LTEとTD-LTEに対応する。
同社は低価格なファブレット「紅米Note」を出していたが、今回フラッグシップでもファブレットを出してきたわけだ。2000元(約3万8000円)を切る価格で最大のパフォーマンスを出すこそが、小米のアイデンティティーだったのだが、その小米ウォッチャーにとっては当たり前の常識を崩してきたことで、「これは果たして買いなのか」と波紋を呼んでいる。
さて、小米Noteの影に隠れるような形になったが、セットトップボックス「小米小盒子」も発表された。
世界最小のフルハイビジョンセットトップボックスを謳う。サイズは幅46.8×奥行46.8×高さ38mm、重量は73gと非常に小さい。
CPUにクアッドコアの「MTK MT8685 Cortex-A7」(1.3GHz)、1GB RAM、4GB ROMを採用し、無線LANとBluetoothを内蔵する。コネクター類はHDMIのみでスロットはない。定価は199元(約3700円)。
既存の製品で4Kに対応する「小米盒子増強版」は、幅101mm×奥行101mm×高さ19.5mmというサイズで、これでも充分スッキリコンパクトだ。CPUにクアッドコアの「Amlogic S812 Cortex-A9」(2GHz)、1GB RAM、4GB ROMを採用し、無線LANとBluetoothを内蔵する。こちらは、USB×1、microUSB×1、HDMIコネクター、microSDカードスロットがある。
OSはいずれもAndroid 4.4.2であるが、この当たり前が中国では問題となっている。root化できず、認定されたアプリしか入れられない中国官製AndroidカスタムOS「TV OS 1.0」搭載製品でない限り、ネット配信動画が見られないのだ。
販売されている小米盒子は、セットトップボックスでありながら、動画が見られない、ただの箱のようだ。
さてその真相はどうなのか。セットトップボックスを専門に扱う店の店員からは「楽視盒子のほうがいいよ。小米盒子は保証はしないけど、日本人でしょ? 日本で使うなら、外国でも売ってる(関連記事)し、使えるかもね」と言われた。自己責任で筆者は小米盒子増強版を購入した。
(次ページに続く、「購入してしばらくは問題なく使えたが……」)
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