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従来比10倍以上の高性能と1/10以下の低コスト化を実現

世界初、印刷で作れる電子タグで温度検出とデータ伝送に成功

2015年01月26日 18時45分更新

文● 行正和義

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開発した温度センサ機能つき電子タグの有機単結晶デジタル回路

 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は1月26日、東京大学、大阪府立産業技術総合研究所などと共同で進めていたプロジェクトにおいて、印刷で製造できる有機半導体デジタル回路を開発、温度センサーで計測したデジタルデータをRFID信号で伝送することに成功した。

新規に開発した13.56MHzの商用周波数に応答する有機デジタル温度センサー回路 

 東京大学グループが開発した「塗布結晶化法」により、p型およびn型の有機半導体をライン上に連続成長できる手法を用いている。さらに富士フイルムと共同でフレキシブル基板上のプロセス検討を行い、デジタル回路動作の確認にも成功した。

ライン状塗布結晶化法と有機単結晶CMOS回路

 大阪府立産業技術総合研究所のグループでは有機分子材料を用いて室温付近で感度の高い低温塗布型有機温度センサーを開発、物流管理や体温モニターに利用できるという。さらにトッパン・フォームズが開発した低コストアンテナデバイスと直結した有機TFT整流素子により、13.56MHzのRFID信号で温度データを伝送するデバイスにまとめあげた。

有機抵抗温度センサーとデジタル変換回路 

 印刷可能な有機デジタル回路により、従来の塗布型有機半導体よりも10倍以上高い性能の有機TFTが1/10の価格で実現できたという。今後大面積フィルム面にデバイスを形成すれば、物流における温度管理付き電子タグや医療用センシングデバイスなどの普及に繋がるという。

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