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Microsoftが「Windows 10」で目指す世界

「Windows 10を好み、あえて選ぶ」ユーザーを増やすMicrosoft

2015年01月23日 18時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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HoloLensとSurface Hubを加えたWindows 10を構成する製品ファミリー群

 米Microsoftは1月21日(米国時間)、米ワシントン州レドモンドにある同本社キャンパスにおいて「Windows 10」の新機能と次世代戦略に関する発表会を開催した。イベントの模様はライブ配信で全世界に中継が行なわれており、現在でも専用ページからオンデマンド配信でのリプレイ再生が可能だ。今回は、本イベントでのハイライトを紹介していく。

Windows 7/Windows 8.1からのアップグレードは
Windows 10発売から1年間は無料へ

 イベント冒頭で挨拶した米MicrosoftのOS部門担当エグゼクティブバイスプレジデントのTerry Myerson氏は、現在Windows 10 Technical Preview(以下、Windows 10 TP)が提供されている「Windows Insider Program」での成果に触れ、これが現在の製品開発における大きなフィードバックになっていると説明した。

米MicrosoftのOS部門担当エグゼクティブバイスプレジデントのTerry Myerson氏

Windows 8.1だけでなく、Windows 7やWindows Phone 8.1のユーザーも発売から1年間に限りWindows 10への無償アップグレードが可能だという

Windows 10 Technology Previewによるベータテストを行なう「Windows Insider Program」を通じて、多数のフィードバックが製品改良につながっていることに感謝の弁を述べる

 また、世界で15億人のWindowsユーザーが利用する巨大なエコシステムであることを強調しつつ、エンタープライズ用途に求められる十分なセキュリティを提供できるプラットフォームであると述べる。これは、スマートデバイスやChrome OSなど新しいプラットフォームが盛り上がりつつある中、Microsoftならではの強みとして、こうした実績を改めてアピールし、既存のユーザーに対しても「これまでも、これからも、必要なニーズをWindows 10で提供していける」ということを示す狙いがあるとみられる。

 Windows 10 TPは2014年10月の提供開始以来、毎月最新ビルドを配布しており、すでに2回のアップデートを実施している。順当にいけば2015年1月のアップデートが間もなく提供されることになるが、この最新ビルドでの新機能や変更点の説明がイベントで行なわれた。

マウス操作とタッチ操作をスムーズに移行できる
「Continuum」(コンティニューム)

 Myerson氏からバトンタッチする形で説明を開始した同社Joe Belfiore氏は、まず最新ビルドの通知サービスと設定画面(コントロールパネル)のUIを紹介している。また、9月の発表会で紹介されながらも、これまでのWindows 10 TPのビルドでは搭載されてこなかった「Continuum」(コンティニューム)が改めて紹介された。これは、マウス操作とタッチ操作をスムーズに移行する新機能で、1月提供の最新ビルドでついに搭載されることになるとみられる。

1月のアップデートで配布される最新のWindows 10 TPとみられるソフトウェアのスクリーンショット。ビルド番号は「Build 9923」となっているが、これはさらに新しくなる可能性がある

新しい設定画面。コントロールパネルのUIも変更されるようだ

2014年12月時点で配布されているWindows 10 TPのビルドでは未搭載の機能「Continuum」(コンティニューム)のデモ。Surfaceのような2-in-1型のタブレットにおいて、キーボードとの着脱やモード切り替えとともに、デスクトップ画面とタッチ向けの画面にスムーズに変化する。例えばタブレットモードに移行した直後、一番手前で開いているアプリが自動的に最大化され、アイコンのメニューもWindows 8/8.1のスタート画面に変化する。この機能も1月配布のビルドでは標準搭載されるとみられる

音声アシスタント「Cortana」(コルタナ)の採用

 今回、完全に初めて紹介される新機能としては、デスクトップPCへの音声アシスタント「Cortana」(コルタナ)の採用がある。「Windows Phone 8.1」で採用された音声認識対応パーソナルアシスタント機能で、AppleがiOSで搭載した「Siri」と、GoogleがAndroidなどで採用している「Google Now」の機能の中間的な存在だと考えれば分かりやすいだろう。

Windows Phone 8.1に搭載された音声入力対応のパーソナルアシスタント「Cortana」(コルタナ)がデスクトップPCでも利用可能に。パーソナルアシスタントというとiOSのSiriを想像するが、実際にはGoogle Nowのような秘書的な機能が中心で、さらに個々人の好みにおいてサジェスト内容等をカスタマイズできる。ふたつ目の写真は音声入力だけでメールを送信しているところ

 Cortanaの特徴としては、ユーザーの好みに応じて機能をカスタマイズできる点で、「Cortanaのノート」を通して加えられた変更は、以後のサジェスト機能や検索機能に影響を与えることになる。通常はタスクバーの検索ウィンドウに常駐する形で存在し、検索結果などはここからウィンドウ枠が出現する形で表示される。

少なくとも3種類のバリエーションが存在

 現在のWindows 10 TPは、主に企業ユーザーやプロフェッショナルを対象として、機能や動作状況を確認するためのプレビュー版として提供されている。Windows 10ではPCだけでなく、タブレットからスマートフォン、ゲーム機まで、あらゆるプラットフォームやフォームファクタを吸収して「単一のWindows」を実現することがビジョンとして掲げられている一方で、その製品版ではターゲットとするユーザーやプラットフォームに応じて少なくとも3種類のバリエーションが提供されると噂される。

 現在企業向けをターゲットとしているWindows 10 TPがそのバリエーションのひとつだとすれば、コンシューマ向けPC以外のプラットフォーム、例えばスマートフォンや(iPadやAndroidに代表される)小型タブレットのプラットフォーム向けにWindows 10のバリエーションのひとつが用意される。今回初公開となったのは、そのスマートフォン/小型タブレット向けの「Windows 10 for phones and tablets」だ。

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