最新パーツ性能チェック 第171回

「GeForce GTX960」は3万円前後のVGA選択を塗り替える

ベンチ環境

　ベンチの前に今回使った検証用PCの構成を紹介しよう。今回は、先に紹介したASUS製カードを使って検証する。

　運良く比較用カードもASUS製のカードで揃えることができたが、GTX660が入手できなかったため、やや格上（GTX760と同じGK104コア）であるGTX660Tiカードで比較している点はご容赦いただきたい。

テスト環境
CPU	Intel「Core i7-4670K」（3.4GHz、最大3.8GHz）
マザーボード	ASRock「Z97 Extreme6」（Intel Z97 Express）
メモリー	Corsair「CMY16GX3M2A2133C11」（DDR3-2133で使用、8GB×2）
ビデオカード	STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5（GeForce GTX 960） STRIX-GTX970-DC2OC-4GD5（GeForce GTX 970） GTX760-DC2OC-2GD5（GeForce GTX 760） GTX660 TI-DC2-2GD5（GeForce GTX 660Ti）
SSD	Crucial「CT512M550SSD1」（512GB）
電源ユニット	オウルテック「AU-850PRO」（850W、80PLUS GOLD）
OS	Windows 8.1 Pro（64ビット）
グラフィックドライバー	GeForce 347.25（β）

　また、今回はEVGA「Precision X 16」を利用し、コア＋100MHz、メモリー＋200MHzし、コア1517MHz、メモリー7600MHz（相当）にオーバークロックした状態でもベンチを計測した。グラフ中では“GTX960(OC)”としてあるデータがそれだ。

Precision X 16上の設定。コア電圧をいじらなくても、この設定値で一発動作してしまった。パワーターゲットは最大の115％に設定してある

オーバークロックした後のGPU-Z。メモリークロックは+100MHz盛るとGPU-Z上で50MHz上乗せされるので、＋200MHzにすると1900MHzになる

フルHDでは申し分のない性能
さすがに4Kはやや厳しいか

　それでは各種ベンチマークでGTX960のパフォーマンスをチェックしよう。まずは定番「3DMark」のスコアー対決だ。これまでフルHD環境を想定した“Fire Strike”とWQHD環境の“Fire Strike Extreme”を使ってきたが、今回より負荷の中途半端なExtremeを外し、最新バージョンで対以下された4K環境想定の“Fire Strike Ultra”を利用する。

3DMark　(単位：score)　better→

　さすがに格上のGTX970に対しては大差を付けられているものの、GTX760や660Tiに対しては明らかなアドバンテージがある。どちらのGPUに対してもSP数やメモリーバス幅にハンデがあるが、第2世代Maxwellの処理効率とクロックの高さがハンデを凌駕した、ということだろう。

　それでは実ゲームにおけるパフォーマンスをいくつか見ていこう。まずは負荷が中程度の「Civilization: Beyond Earth」からチェックする。画質は最高の“ウルトラ”、アンチエイリアスは“2X SMAA”に設定した状態で、内蔵ベンチマークモードを利用して計測した。このベンチは最低・最高fpsも計測できるが信頼性に乏しいので平均fpsだけを比較する。

Civilization: Beyond Earth（単位：fps)　better→

　GTX960はGTX760や660Tiに比べ、フルHD環境では30fps近くフレームレートが高い反面、4K環境では10fpsも差がついてない点にも注目したい。4Kだと単純に描画負荷が激増するだけでなくビデオメモリーも2GBで足りなくなるため、フレームレートが一気に降下すると考えられる。いずれにせよGTX960で4K（またはDSRで4K相当）で遊ぶには軽めのゲームに限られる、ということだ。

（→次ページヘ続く　「重量系ゲームのパフォーマンスは？」）