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T教授の「戦略的衝動買い」 第316回

外出の際に傘が必要か知らせてくれる「そらビーコン」を衝動買い!

2015年01月21日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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「そらビーコン」は鳴り物入りでデビューしたibeaconの応用機器だ

「そらビーコン」は鳴り物入りでデビューしたibeaconの応用機器だ

 昨今の市場には、精細なデジタルカメラ機能やNFCチップ、もはや伝統的ジャンルになったWi-FiやBluetoothなどの無線機能、まだまだ頑張ってる赤外線通信機能などを搭載するモノがあれている。

 それらに加えて、Bluetooth 4.0の一部として機能向上した「Bluetooth Low Energy」(BLE)も登場。スマートフォンやタブレットはもちろん、クルマから電子レンジまで、ありとあらゆるデバイスがインターネットに繋がり、ビジネスエリアの拡大と成功を狙っている。いわゆる「IoT」(Internet of Things:モノのインターネット)だ。

スマホを操る/操られるデバイスは多岐に渡り、さまざまな展開が期待される

スマホを操る/操られるデバイスは多岐に渡り、さまざまな展開が期待される

 思えば、10年以上昔に、“ユビキタス”という一般用語が注目され、同様のビジネス的展開を狙うIBMが「パーベイシブ・コンピューティング」(Pervasive:普及する・しみ通る)という“PCが社会のあらゆるところに行き渡って、またあるものはカタチを代えて社会システムにしみ渡る社会が必ずやって来る”と大風呂敷を広げた時代がやっと訪れてきた……という感覚だ。

 いつものことだが、毎日毎日、驚くようなことばかりが起こっていると思われがちなICT(情報通信技術)世界だが、実はこの世界も「大抵のモノや考え方は昔からあった」というのが正しいようだ。

 今から数年以上昔、国内の移動体通信事業会社で商品企画のお手伝いをしていた頃、米国のベンチャー企業が開発試作した「雨がふる前に柄が光る傘」という製品にイタく惹かれた筆者は、なんとしても国内で商品化しようと友人と目論んだ。

 しかし、当時のネットワークの種類やパケットコスト、バッテリーなどの問題で、実用化には時期尚早だった。

そらビーコンのサイズは、クレジットカードと比較してこれくらい

そらビーコンのサイズは、クレジットカードと比較してこれくらい

 実現の仕方は少し異なるが、そんなイメージにやや近い商品が今回、筆者が衝動買いしてしまった「そらビーコン」だ。

 本連載をご覧頂いている読者諸兄ならすでにご存知だとは思うが、そらビーコンは一昨年辺りから注目のデバイスである「ibeacon」で実現できる機能を使った「コンシェルジュ型・パーソナルお天気情報システム」である。

傘が必要そうな時に教えてくれる「そらビーコン」

極めてシンプルなパッケージで送られてきた「そらビーコン」

極めてシンプルなパッケージで送られてきた「そらビーコン」

 そらビーコンにある一定距離まで近づき、そらビーコンの発する電波を見つけた貴方のiPhoneが自動的に事前に設定されたお天気情報にアクセスして、最新の降水確率を音声で読み上げて、必要なら傘を持って行くことをリコメンドしてくれる……というのが商品とサービスの“ウリ文句”だ。

 筆者のような、雨に加えて傘を持って行くことが大嫌いな関西人にとって、このサービスはなかなか興味深い。雨を嫌いでなくなるには、さまざまなテクノロジーが問題解決に寄与できるであろうことは自明ではあるが、その実現方法は必ずしも1つではないだろう。

 今回のそらビーコンのように、既存のお天気情報を伝達する時刻や特定の場所を選択し、伝達手段を確実なものに補強することは、確かにICT世界にいる多くの人の普通の発想だ。

 しかし、それとはまったく関係なく、雨傘を毎日24時間365日持ち歩けるボールペンサイズに小さく作り上げてしまうのもひとつの大きな解決手段だ。

 根本的にはソフトウエアなるものを100%は信用していない筆者は、当然ながら後者のようなソリューション・ハードウェアの信奉者だが、今回ご紹介するそらビーコンのソリューションはハードウェアも絡んだ前者の拡張系のサービスモデルだ。

 筆者がウェブショップで衝動買いした「そらビーコン」は超簡単なパッケージに入って宅配便でデリバリーされてきた。対象機種は、iOS 7.0以降でBLE4.0以降を搭載しているアップル製品だ。

梱包物は「そらビーコン」本体、交換用ボタン電池、IDが記述された紙片、クイックスタートガイドの4点

梱包物は「そらビーコン」本体、交換用ボタン電池、IDが記述された紙片、クイックスタートガイドの4点

使用するボタン電池は「CR2450」。それほど珍しい電池ではない。寿命は2~3ヵ月らしい

使用するボタン電池は「CR2450」。それほど珍しい電池ではない。寿命は2~3ヵ月らしい

側面の小さなボタンを押しながら本体を上下でひねると簡単にフタが開く

側面の小さなボタンを押しながら本体の上下を持ってひねると簡単にフタが開く

ボタン電池と接点の間に入ってる絶縁スペーサーを引き抜くと通電して起動する

ボタン電池と接点の間に入ってる絶縁スペーサーを引き抜くと通電して起動する

 パッケージの中には、メンソレータムの缶より一回り大きな本体と、交換用ボタン電池(CR-2450)、UUIDやメジャー値、マイナー値などの個体認証コードが記載された紙片、クイックスタートガイドの4点が入っている。

(次ページに続く、「有料アプリが必要だが設定はQRコードを読み込むだけ」)

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