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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第389回

城址のお堀にいる遠くの猫を望遠で狙う!

2015年01月16日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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猫同士のぶつかり合いが発生! その結末に爆笑

 さてさて、この猫の向こうにあったお堀。すぐ横に土橋がかかっていてそこを渡って本丸方面へ向かう。今は観光ルートだ。

 その土橋を歩きながらお堀に目をやると、底に黒い固まりが見える。カラスだと思って通り過ぎようとしたのだが、なんとなく様子が違う。

 老眼+近眼の目にはディテールはモヤモヤしてわからないが、大きさや動き具合の問題だ。

 そういうときはカメラをのぞく。目を凝らすより手っ取り早い。

 サムネイルだと多分何も見えないので、クリックして大きく表示していただきたい。

広いお濠を土橋の上から撮ってみた。実はここに猫が2匹いるのだ。一番深いところをのそのそと歩いてる黒猫の右上にもう1匹いるのである(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5 )

広いお堀を土橋の上から撮ってみた。実はここに猫が2匹いるのだ。一番深いところをのそのそと歩いてる黒猫の右上にもう1匹いるのである(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5 )

 おお。こんなところで猫が遊んでるとは思わなかった。

 まずレンズを望遠レンズにつけかえる。昨年晩秋に買ったばかりの40-150mmである。マイクロフォーサーズにつけると300mm相当になる。猫が遠いのでそれでも足りないけど、トリミングしちゃいます。

 レンズ交換をしてる間に2匹は接近してこんなことに。

 黒猫をよく見ると、頭をぐっと下げてキジトラを目で追っているようだ。お尻をあげて(つまり後ろ足をいつでもダッシュできるように準備して)、頭を低くして(つまり相手から自分が隠れるようにして)見つめる。

 「狙ってる」ときの姿だ。

じわじわと接近する2匹。黒猫がキジトラをすごく気にしてる(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5)

じわじわと接近する2匹。黒猫がキジトラをすごく気にしてる(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5)

 これは猫同士のぶつかり合いが見られそうだとカメラを連写モードにして待ってると、黒猫が一瞬でダダッと飛びかかり、キジトラは石垣の上へ。

黒猫に襲われて逃げるキジトラの図。自分の縄張りに来るな、と追っ払ったんだろうか(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5)

黒猫に襲われて逃げるキジトラの図。自分の縄張りに来るな、と追っ払ったんだろうか(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5)

 そして、うまく撮れたかなと今撮った写真を再生して確認し、再びカメラをお堀に向けたら……あれ?

黒猫が上にキジトラが下に(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5)

黒猫が上にキジトラが下に(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5)

 いつの間にか、上下が入れ替わってました。

 いやあ、笑った。実は上に追いやられたキジトラはどっかへ行っちゃって、別のキジトラがまたあらわれた、って可能性も考えたのだけど、きっと違う。

 見ていない間に、キジトラがぐるっと回って下に戻り、立場が逆転したのだ。

 やはり猫は面白い。ぼーっと見てるだけで日が暮れちゃう。

 夕暮れの土橋でじーっとお堀を見つめて動かないおっさんがひとり、周りから見たら怪しかったに違いない。

 やがてキジトラが歩きはじめて少し近くにやってきたので1枚。これが一番近づいた瞬間でありました。それでも遠かったのでさらにトリミング。

遠くて肉眼ではほとんどわからなかったけど、よく見るとなかなかキリっとした猫である。周りに白いものが散乱してるが、これはゴミと雪。両方混じっておりました(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5)

遠くて肉眼ではほとんどわからなかったけど、よく見るとなかなかキリっとした猫である。周りに白いものが散乱してるが、これはゴミと雪。両方混じっておりました(2015年1月 オリンパス OM-D E-M5)

 にしても、人に迷惑を掛けない場所で自由に走り回れるとは、いいですなあ。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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