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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第40回

「実況プレイ動画」「艦隊これくしょん」「ラジオ」などの人気が増す

2014年もニコニコ動画は拡大中

2015年01月15日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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ヒットしたタグは「ラブライブ!」「艦隊これくしょん」
「実況プレイ動画」は3割増、“御三家”は揃って減少

 最後に2014年によく再生されてたタグをみてみましょう。グラフ5は新規投稿ベースで主なタグの2014年の新規投稿動画の総再生数を値の高い順に並べたものです。データのあるものについては参考のため2013年・2012年の値を載せています。

 なお今回は、調査にニコニコ動画のスナップショット検索APIを使用しています。こちらは短期間で大量のデータが取得できる点で便利なのですが、タグ検索については海外タグを対象外とする仕様のため、従来とは動画の範囲が若干異なります。ご了承ください。

 2014年からヒットしたタグとしては、「ラブライブ!」はそれ以前から話題になっていたものの、この年大きく拡大しています。また2013年からスタートした「艦隊これくしょん」は劇的に再生数を伸ばしており、昨年の2.4倍ほど。「VOCALOID」「東方」を超えて特定作品を示すタグのなかでは最も再生されていました。前回同様に挙げた「進撃の巨人」は再生数を落としグラフ圏外となっています。

 数としては投稿数の多いカテゴリタグの「ゲーム」が一番大きく、また再生数も最も増えています。ゲームカテゴリに入る「実況プレイ動画」も3割増、同じく「ゆっくり実況プレイ」も1割増と再生数が増えています。

 ほかに新規投稿動画の再生数の伸びが大きかったタグとしては「その他」が1.5倍、「ラジオ」が1.35倍、「政治」「例のアレ」が1.25倍、「真夏の夜の淫夢」が1.2倍、「MikuMikuDance」「踊ってみた」「エンターテイメント」が1.1倍と、2013年の再生数から増加しています。「ラジオ」「踊ってみた」はこの連載でも取り上げていますが最近人気が高まっているようです。

 「アニメ」タグは再生数では三番手ですが、2014年は若干減少し、実況プレイ動画に抜かれています。ほか減少傾向にあるタグとしては「VOCALOID」が34%減、「東方」が21%減、ほか「歌ってみた」「Minecraft」「スポーツ」「アイドルマスター」も減り気味です。

 なお「歌ってみた」は新規投稿動分の再生数は減っていますが、差分での全体の再生数は増えています。「歌ってみた」も過去動画が見られる傾向が高くなっているようです。

 「VOCALOID」タグでは2013年は差分が増加している一方、新規が減少していましたが、2014年は差分の再生数も減少しています。2013年の数字では約5億再生の増加でしたが、2014年では2億5000万と半減しています。

 もっとも、2014年の調査ではスナップショット検索APIの検索結果を使用したため、2013年頃は計上していた釣りやいたずらで、海外タグに「VOCALOID」タグが付けられている無関係な動画が集計外となっている影響が大きいのかもしれません。この点でいうと昨年の5億という数字が過剰というべきでしょうか。

 参考に各年のVOCALOIDカテゴリの再生数の差分(こちらは各年1月1日時点の数字の差分)を示すと、2012年は3億7976万、2013年は3億9893万、2014年は3億9603万といった具合です。2014年はVOCALOID動画全体の再生数がやはり若干下がっているものの、大きくは変わらないようです。一方で新着投稿動画の再生数を考慮すると、VOCALOIDでは過去の動画を再生する傾向はさらに進展しているものと考えられます。

 同様に新規投稿動画よりも過去動画がよく見られているタグとしては「音楽」「歌ってみた」「ゆっくり実況プレイ」「東方」などがあります。逆に新規投稿動画の再生の割合が高いのは「ニコ生」「政治」「パチスロ」「MikuMikuDance」「艦隊これくしょん」「ニコニコインディーズ」「R-18」などがありました。

継続的に調査している主なタグそれぞれについて、2014年12月はじめ時点の過去1年間に投稿された動画の再生数を合計した値のグラフ。また参考に、2012年・2013年の同様の数字を各年分として載せている

注目点はマイリスト登録の減少
“投稿者寄りから視聴者寄りへ”の傾向が拡大

 以上をまとめると、再生数の増加、コメントの減少の傾向は2013年と変わらず。変わった傾向としてマイリスト登録が2014年では非常にされにくくなっていました。

 動画の投稿数・投稿ユーザー数が2011年頃をピークに減少傾向にある点も変わらず、ニコニコ動画が投稿者寄りから視聴者寄りになっている傾向は拡大しています。さらにいえばマイリスト登録の傾向にあるように、視聴者自体の属性も変わってきているのかもしれません。

 作品としては、2014年は「ラブライブ!」「艦隊これくしょん」が大きくヒットしました。従来から人気のあるタグでは「実況プレイ動画」「その他」「ラジオ」の人気が高くなっています。「ゆっくり実況プレイ」も依然人気は高いです。

 従来人気の高かった「歌ってみた」は今回も減少、「VOCALOID」「東方」「アイドルマスター」などのタグでは2013年に新着動画の再生数の減少が見られましたが、2014年は全体の再生数も減少気味です。

 データで見ると2014年のニコニコ動画には以上のような傾向がありました。今後もこうした傾向が進んでいくのか、それとも2015年に新たな動きがあるのか、これからも注目していきたいと思います。

(次ページでは、「2014年ニコニコ動画人気タグランキング!」)

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