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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” ― 第388回

新年の誰もいない名古屋で猫と出会う

2015年01月09日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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地域猫っぽいワイルドな猫達にまじって、首に鈴をつけた美猫が。きりっとせすじを伸ばしてこっちをみてくれたのですかさず撮影( 2015年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 猫といってもいろいろいるのだが、わたしが好きなのはきれいに手入れされた血統書がついてるような美猫や、よい人に世話されてぬくぬく育った可愛い猫よりも、むしろ、都会の隙間を縫うようにたくましく生きている猫たちであり、ときどき、ふわふわ可愛い猫写真が好きな方、すみませんという気分になったりするのである。

 今のご時世、飼い猫はできるだけ室内飼いで外には出さず(だからうちの猫も外にまったく出してない。野良の子猫を引き取っているので幼少時は外にいたわけだが)、野良猫はできる限り地域猫としてきちんと世話をし、去勢して無闇に増えないようにする、が基本なのでそんな街猫に出会う機会も減っているわけだが、猫が紛れ込んで生き延びられる程度の隙間が残ってる社会であってほしいなといつも思ってる。

 そんな猫は狙って出会えるものじゃない。おおむね偶然の産物であり、だから楽しいのだ。

 1月2日の真っ昼間、名古屋のど真ん中で数時間のヒマができたので、じゃあひとけのない名古屋城周辺に残る旧い街並みや建築物でも楽しもうかとひとり歴史散歩してたら、ふと動くものが目にはいったのである。その場所で動くとは猫に違いない、と、ぱっと目をやると大当たり。思わぬ遭遇にびっくり。

 よく見ると、2匹どころじゃない。顔を出したり隠れたりで何匹もいる。今年はついてるかもしれない。

 どうやら近所の人が世話をしているようで、首輪をしてたり、してないけど妙に美猫だったり、やさぐれた顔をしてたり、いろんな猫がいる。

 ただ人には慣れてないようで近づかせてくれない。そこで望遠レンズにつけかえて遠くからそっと狙ってみることにした。

 正月だけあって観光客も勤め人もおらず公園も閑散としてるので、猫はもう伸び伸びと縦横無尽に走り回ってて面白い。

 木の根元の狭いところにちょこんと座って遠くの何かをうかがってたり。

猫ってこういう狭くて不安定なところを選んでちょこんとのっかるよね、といいたくなる1枚。猫は狭くてちょっと高いところが好きなのだ(2015年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 何かを求めて際をタタタタと走ってたり。

 走ってるなと思って連写したらちょうど口をあけた瞬間を撮れてた。

わざわざ隅っこを走るところが猫らしい。一目散に走っているところを流し撮り気味で望遠で狙ってみた(2015年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 ちょいとやさぐれた顔をしてみたり。

なんてことない写真だけど、表情が面白かったので採用。ちょっとワルぶってみました(2015年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 歩いてたらこっちに気がついて、足を止めてチラ見するヤツも。

「ん?おまえは何見てるんだ?」的な表情がたまりません。歩きながらも視線には敏感(2015年1月 オリンパス OM-D E-M1)

 そして一番の美猫は冒頭写真のキジトラ。鈴のついた首輪をしてたので、この子だけちゃんと飼われてるのかもしれない。旧家が並ぶ古い街では、猫を自由に外で遊ばせる昔ながらの飼い方をしてる家が多いのだ。首に鈴をつけてる猫も最近は減ってるのでなんか新鮮。走るたびに音がしてた。


(次ページでは、「短い冬の日に黒猫とひょっこり対面」)

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