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床に埋め込むセンサーからジェスチャーコントロールまで

お手軽価格で家電をコントロールできる時代がやってきた

2015年01月08日 09時00分更新

文● 河内典子(@mucchio)

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12月10日(日本時間は11日朝)、シアトルのマイクロソフトベンチャーズが支援する、ホームオートメーションに特化したスタートアップ10社がプレゼンを行なった。その模様を秋葉原のDMM.MAKEで視聴するイベントに参加したのでレポートする。

スタートアップが考えたホームオートメーションの姿

 世界中の起業家を支援をするマイクロソフトベンチャーズのスタートアッププログラムは、組織に所属する「メンター」と呼ばれる指導者が数カ月ごとに交代しながら、スタートアップに助言し、育成していく仕組みだ。スタートアップとメンターのマッチングは双方の希望で行なっている。同組織のスタートアップ支援の取り組みは、日本国内でも展開されている。

スタートアップのみなさんに、ぜひこのプログラムに挑戦してみてほしいと語る日本マイクロソフトAzureのエヴァンジェリストをしながら、スタートアップのメンターも担当する砂金信一郎さん

 この日のテーマとなった「ホームオートメーション」とは、既存の個人宅の電気製品などをコンピュータを用いて、一括して制御、操作できるように置き換えていく動きを指す。外出先からスマホを使って家電の電源のオンオフをしたり、エアコンの温度設定、電気錠の開閉などが可能になっていく。電源の無駄遣いを防ぐことによって、エコや節約にもつながる。

 この日、登壇した10社のプレゼンでは、アメリカでのホームオートメーションのスタートアップの傾向を抑えておきたい。床に埋め込むセンサーから、湯沸し器のIoT化、証明コントロール、家電デバイスのジェスチャーコントロールまで登場した。

リアルタイムに電力消費を分析するChai Energy
毎日の電力消費を分析し、何にどれくらいコストがかかっているのをリアルタイムにチェックするサービス。家の中のエネルギー消費を把握することで、1年間で平均300ドルの電気代の節約になるという。スマート電力メーターが無線LAN経由で、スマホ上でグラフ化し、通知してくれる。グーグルに買収されたNESTなどの、他社のサーモスタットは高額だが、Chaiは10ドルで提供するという。アプリはすでに2000ダウンロードされている。
ITな湯沸かし器を提案するISI Technology
無駄な湯沸かし器をIT化することで、40%の電気代を節約。10%の水道料金が節約できる。475ドルで事前オーダーを受付中だ。
人向けのIoTプラットフォームのNeura
人をIoT化して生活習慣の情報を得るIoTのプラットフォーム。
宅内の行動を天井から見守るNovi Security
家の中の活動をシームレスにトラックできるポータブルセキュリティシステム。天井に取り付けるタイプのセキュリティ装置で、センサーモジュールをスマホアプリでコントロールする。199ドルで提供。
リストバンドから家電を操るReemo
家電をジェスチャコントロールするリストバンド型デバイスを提供。家の中にレシーバーを置いて、認識精度を上げる工夫をしている。
スマホでライトを操作できるPlum
壁のコンセントを取り替える製品で、無線LANにつながり、照明の明度のコントロールができる。照明コントロール市場は30億ドル市場と言われている。キックスターターだけでなく、Amazonでも事前注文をたくさん受注している。
組み込み機器向けセキュリティのRed Balloon Security
さまざまなデバイス向けのプロテクト環境「SYMBIOTE」が、組み込みのファームウェアへの保護システムとして機能する。
マットのセンサーで行動解析するScanalytics
床のマットに埋め込んだセンサーを使った人の行動を解析する。小売店などで、床のマットに埋め込んだセンサー活用した物理世界の解析システム。顧客の行動を分析し、商売に役立てられる。
1つのデバイスで異変を検知するSENTRI
室内に設置したデバイスのセンサーで異変を検知する。スマホアプリでリアルタイムでカメラも使ってモニタリングができる。家電の入り切りだけでなく、鍵の解錠まで行なえる。299ドルでプレオーダーを受け付けている。台湾の会社だ。
火事のリスクを通知して消火までするWallflower
家事原因の46%がキッチンにあるとし、ガスコンロを無線LAN経由で、スマホアプリでモニター・コントロールできるようにするソリューション。危険を知らせる通知にユーザーが気付かなかったら、代わりに消してくれる。

数ヶ月前にものづくりの拠点として、ものづくりをする人がコミュニケーションするコワーキングスペースとして誕生したDMM.make AKIBAで行なわれた

 スタートアップ10社のプレゼンテーションでは、メンバーの紹介、メディアへの掲載事例、クラウドファウンディングでの調達に成功したことなどをアピールした。まだ実体がなくてもメール登録だけで事前注文を受け付けているサービスもあった。

■関連サイト

筆者紹介:河内典子(こうちのりこ)

 

サラリーマンとして編集ライターを20年弱していたが、昨年の秋からフリーランスに。アプリ制作者を応援するような記事が得意。子育てや子ども向けプログラミング教育にも興味がある。前職では「おばかアプリ選手権」の発起人として並々ならぬ情熱を注いできた。フリーランスでもできる面白いアプリ選手権イベントの運営をしたがっているので、コラボしてくださる企業さま、お気軽にご連絡ください。

https://twitter.com/mucchio

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