このページの本文へ

スターバックスからSquareへ:関係はもうおしまいだ

2015年01月09日 08時00分更新

文● Owen Thomas via ReadWrite

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

携帯による支払いパートナー契約は終焉した。

MTI1MzA3MDI4ODc1ODEwMDY2_0

スターバックスはまもなく店内でのSquareによる携帯支払いの取り扱いを止め、2012年以来続いてきたパートナー契約を解消する。

先月17日、Squareは自社のお財布アプリのユーザーに対し、アプリが単なるお財布であることを止め、新たにユーザーがアプリにチェックインし、名前を宣言するだけで支払いが出来るアプリ、Square Orderになる事をメールで通知した。この機能はTabsと呼ばれ、お財布アプリに近い感じで使用できる。

しかしこれがスターバックスで使えると思ってはいけない。

「スターバックスはSquare Orderではなく、自分たちで支払いシステムを構築し、自社のモバイルアプリ及びロイヤリティプログラムの梃入れをはかることを考えています」と、スターバックスの広報であるマギー・ジャンツェンは言う。

スターバックスは現在、オレゴン州ポートランドの店舗でアプリの試験を行っている。

Square WalletもSquareがスターバックスに提供した支払い方法だった。ユーザーは自分の名前で支払いする代わりに、支払いのためにスキャンするコードを出力する必要があった。このためユーザーにとって、Square Walletは既存のスターバックスの携帯アプリと比べて不便なものとなっていた。また、貯めると無料でコーヒーが頼めるポイントも集めることが出来ないという欠点もあった。

Squareは去年の早い段階でWalletアプリをGoogleおよびAppleのアプリストアから引き上げているが、既にインストールしたユーザーに対するサポートは継続していた。つまりWalletのユーザーはやろうと思えば、このアプリを使ってスターバックスで支払いを続けることは出来るということだ。

SquareがWalletアプリを完全に打ち切る時(まだ時期は決まっていないが、メールによればまもなくだという)、Walletアプリによる支払いは全くできなくなり、OrderがSquareが提供する唯一の支払い方法となる。そしてその時、Squareがスターバックスに携帯支払いサービスを提供していた時代は終わりを迎える。

これが終わりだと思わないで欲しい

Squareはこの実験は終わったと宣言することを望んでいないようだ。

「スターバックスはパートナーで在り続け、彼らの支払処理や協力関係は続けていく。スターバックスでのOrderの提供については何の話もない」とSquareの広報、ジョニー・ブラッケットはいう。

Squareがスターバックスとビジネスを続けていくというのは本当のことだ。それがお財布携帯という形では無いというだけの話だ。

客がスターバックスでの支払いをクレジットやデビットカードで支払う場合、Squareがそのトランザクションを処理する。話は純粋にバックエンドの処理に関わることだ。スターバックスはSquareのカードリーダーを使わない。当時、スターバックスはバンクオブアメリカからSquareに切り替えることでお金の節約になるとうたい、支払処理の業界人たちはスターバックスとのビジネスを獲得するために、Squareは経済的に不利な条件に同意したのだと信じた。

スターバックスのCEO、ハワード・シュワルツは2012年8月、Squareの経営陣に加わり、2013年10月にはそこを去った。そして今、彼は携帯による支払いはスターバックスにとってのキービジネスだと公表し、Squareの競合品ともいえるそのシステムを、他の小売業者にも提供しようとしている。

トップ画像提供:calleephoto

Owen Thomas
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中