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我が社で一番偉いのはお母さん モバツイ開発者・藤川真一がBASEに込めた「普通」の哲学:大江戸スタートアップアカデミー

2015年01月10日 07時00分更新

大江戸スタートアップ編集部

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2014年12月19日に開催された大江戸スタートアップアカデミー「フリル×BASE×ヤフオク!スマホ個人間取引徹底トーク!」より講演メモを特別公開。第一弾の「ヤフオク!」第二弾の「Fril」に続く第三弾は開設無料のオンラインショッププラットホーム「BASE」。藤川真一取締役CTOが心がけたのは「お母さんが使えるサービス」だ。

大江戸スタートアップセミナー 次回は1月30日(金)
「モーフィアス」「オキュラスリフト」VR業界最前線

 ソニーの「モーフィアス」(Morpheus)、フェイスブックが買収した「オキュラスリフト」(Oculus Rift)でIT業界をにぎわすバーチャルリアリティー(VR)デバイス。新たな市場に挑戦するゲーム開発者や専門家をお招きし、VR業界の最前線を伺います。スマホ市場が「VRシフト」するのはいつか?(詳細はこちら

 2006年にpaperboy&co.(現GMOペパボ)で「カラメル」責任者をしてきて、2007年に「モバツイ」を作った。「100万人から教わったウェブサービスの極意」ということで、個人が使うウェブサービスは将来どうなるんだっけという話を書いたこともあった。2013年、BASEの技術顧問に就任した。

 BASEは設立2年目の企業。資本金は5億7000万円あまり。ものづくりは現在13人でやっていて従業員は30人。マーケティングとカスタマーサポートが5人ずつ。サービス開始時からカスタマーサポート専門がいるなどサポートを大事にしている会社。

 BASEは無料で簡単にネットショップが開設できるサービス。現在約13万店舗で日々増加中。モバイル・ウェブでお店を作れたりと多様。開設コスト、維持費は無料。個人でちょっとやってみたい、何かを売ってみたい、自分の城を持ってみたいというのを実現させる。ASPではなく自分の環境、WordPressでやりたいときにBASEを使ってもらう形。モノが売れたとき決済手数料をもらっている。


「お母さん使えなくない?」で開発を取り下げる

 BASEそのものはすごくシンプルなサービスだが、BASE Appsという機能拡張を提供している。

 BASEを使えばこんなことができるよ、という世界を広げていく。BASEをシンプルなままで維持するのと同時に、Appsで機能を増やしていく。最近叫ばれている「マイクロサービス」の一環。BASEのコアとなるサービスと小さなApps群を近い将来マイクロサービスとして独立させることを意識して作っている。

 BASEの特徴としては「お母さんでも使えるネットショップ」というのをポジションにしている。複雑なものを作ってしまったとき「お母さん使えないよね」ということになったらダメになる。

 例えば、いざコードレビューをしたとき「お母さん使えなくない?」という話になったら、開発を取り下げることもある。普通の会社であればコードまで書いたものを取り下げることは少ないが、我々は「お母さんがいちばん強い」ということで、全ての哲学がお母さんにぶらさがっている。


開始初日から1000件の申し込み

 登録すればすぐサービスが使えるため、開始初日から1000店ほど申し込みがあった。

 2014年8月にCTOとして入ったが、サービス開始直後の様子も見ていた。話題になって店が増えていたが、いろんなEC支援企業の方が入ってきていた。最初は決済にPayPalを使っていてスタートアップっぽいと思っていたが、現在は三井住友カードに支援してもらって決済を提供している。

 今はBASE Appsという機能拡張を、「個人のセンスをモノだったり何かの形に作るときに支援する」ところに注力したいと思っている。CtoCというか個人の支援をしたい会社がいたら、ぜひBASEでモノを売れるような仕組みを考えてほしい。BASEではオークションに出品する手軽さでオリジナルのお店を持てる。

 (BASEより)高度なサービスはたくさんある。どうやって追い上げるかという戦略としては、シンプルな形で受け入れられる状況をいかに守り続けるか。その中でAppsの形でより良い機能を提供し続ける。

 「お母さんが使える」状態は守らなければならない。ツイッターも同じだった。インスタグラムなどいろんなサービスが出てくる中、ツイッターはシンプルな140文字のコミュニケーションで確固たるブランドを保っている。


ショッピングモールだけが正解とは思えない

 楽天市場の流通総額は毎年2ケタで伸びる一方、店舗数は3.5%程度の成長率。楽天市場モデルだけが正解ではないのではないか、と漠然と思っている。

 CtoC(個人間取引)に近い、誰でも使えるネットショップの目線で考えたとき、EC化率を上げるにはBASEのやり方が合っているのではないかと思う。ショッピングカートのパラダイムとは違うニーズを作れればいい。

 僕なんかは年齢が41歳くらいで、自分が考える機能をそのまま実装するとダメなんだろうなと。僕らは鶴岡(裕太)代表のアイデアを実現する。鶴岡は「BASE Appsこそインターネットだ」と言っている(註:EC事業者にとっての基盤をBASE、サービスをBASE Appsが代替するという考え)。

 最初に1000件の出店があったのはすごくびっくりした。ECのサービスは10年前からあったが、無料とかクレジットカードが使えるとかデザインがシンプルというので自分でもできそうだというのが伝わったのだろう。うちはモールになっているわけではないので、自由に使っていただける。

 モールというスタイルがいいのかというのは疑問を持っている。今はパートナー企業のサービスを通じてプロモーションを支援するサービスと連携していて、プレスリリースを支援するサービスのようなもの(プロモーションツール)を積み上げていて、筋肉質(専門的)な商品をお持ちで、ネットのプロモーションがしづらいところを応援したい。モノづくりのスタートアップとも連携しはじめている。

 検索から探してもらえる機能も作っているが、手作りの商品などは検索エンジンでは探せないので、そこだけに期待するのではなく、ショップさんのいいところが出る方法を考えたい。


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